■再燃した森友問題・習近平一強体制が固まった全人代・神戸製鋼株とJT株等
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●前代未聞の改竄が行われていた国有地売却の決裁文書が発覚
財務省近畿財務局は2016年6月、大阪府豊中市の国有地を小学校校舎建設用地として大阪市の学校法人・森友学園に売却しました。この売却価格は土地評価額9億5600万円の14%にあたる1億3400万円という破格の安値だったのですが、これが注目を集めたのは8億円強という値引き額の大きさ以上に、安倍晋三首相の夫人である昭恵氏が小学校の名誉校長に就任していたからです。2017年2月、昭恵氏の名誉校長就任を朝日新聞が報道すると、安倍首相夫妻がこの安値の売却に関与したのではないかということで、野党が国会で安倍首相を追及する事態となりました。
この森友問題における野党の主張は、財務官僚が安倍首相の意向を忖度(他人の心や立場を推し量り物事を進めること)して破格の安値で国有地を森友学園に売却した、だから国民の財産の国有地を安値で売却してしまった責任は安倍首相にある、というものです。しかし安倍首相夫妻が土地売買への関与を強く否定したこと、近畿財務局を統括する財務省理財局の佐川宣寿局長が国会で「通常の売却」と主張したこと、森友学園の理事長である籠池泰典氏が2017年7月に補助金不正受給容疑で逮捕されたこと、さらに財務省が2016年6月の国有地売却の決裁文書を国会議員に提示したこと、などによって森友問題も収束していくかに見えました。そして佐川氏も2017年7月に国税庁長官へと昇進したのです。
ところが、今年3月2日にまたもや朝日新聞が「国会議員に提示されていた国有地売却の決裁文書には複数箇所の改竄がある」と報道して再び森友問題に火が付いたのでした。決裁文書の改竄は前代未聞のことです。この文書改竄が国政に衝撃を与えるなか、佐川氏は3月9日になって突如、国税庁長官を辞任しました。辞任の理由は、国会審議の混乱を招いた、行政文書の管理状況にさまざまな指摘を受けた、国有地売却の決裁文書を国会に提出したときの担当局長だった、というものです。つまり、理財局長時代の森友問題への対処に誤りがあった責任を取って国税庁長官を辞任するということでした。