優良株への長期投資
今回はまず、人間の近視眼的傾向を背景とした優良株への長期投資から始めましょう。
もっとも、これはほぼ以前に説明したとおりですので、ここではポイントのみをまとめておきます。
・時間軸
人々の近視眼的傾向から生まれる収益機会だけに、それを獲得するには長期、場合によっては気の遠くなるような超長期の時間軸が必要です。
・分散投資
長期投資に適した優良株であることを見極め損なうリスクを軽減するためには、ある程度の銘柄数に投資することが必要です。ただし、そのような優良株自体、数は少ないと考えられるので、分散させればよいというものでもありません。厳選された限られた数銘柄に投資するのがベストでしょう。
・損切/利益確定
投資した銘柄が本当に優良株なら、値段が下がったところこそ投資チャンスであり、損切をしては元も子もありません。そのため、できるだけ損切をしないようにする必要があります。利益確定も同様です。株価がふけ上がって明らかに割高になるなどしない限り、利益確定を急ぐべきではありません。
バフェットも言っていますが、その株が優良株であると信じられる間はポジションを保持し続けることが基本です。
・レバレッジ
損切を極力抑えるためには、レバレッジは低めに維持する必要があります。基本的に、信用買いなどでレバレッジをかけるやり方は適切ではありません。
・リスク
基本的に損切をしないので、優良株を見極め損なうと大きなリスクを負うことになります。そのため、企業分析には力を入れる必要があります。株価の短期的値動きに過敏になる必要はありませんが、企業の業績動向、とりわけ長期的なビジネス構造の変化やマネジメントスタイルの変化などを深くチェックすることが重要です。
このスタイルでは、バフェットが典型的にそうですが、市場がクラッシュしたときに絶好の投資機会が訪れます。要するに、前回までお話ししたリスク・プレミアム投資を組み合わせるということですね。
このように投資手法としてポイントをまとめることはできますが、これをいざ実践しようとすると、なかなか貫徹することが難しいというのが、この手法の最大のリスクかもしれません。