他人をバカにすることで生きる男たち――⑨夫にキレる妻 VS 妻に嫉妬する夫

【他人をバカにすることで生きる男たち――⑨夫にキレる妻 VS 妻に嫉妬する夫】

前号から続いています)

前回は男たちの「デキるヤツ」への報復の恐ろしさをお話しましたが、ジジイの得意技は意外なところでも発揮されます。

そのリアルを告白してくれるのは、久々登場の第2秘書室のメンバーです(第2秘書室に関する説明はバックナンバーを参照)。

チヒロさん、50歳。メンバーの中でもっともキャリア志向が高く、夫あり、子どもありの社内でも一目置かれる“ハイスペック”部長です。

第2秘書室で鍛えられた彼女のまなざしは、“夫”の一挙一動も敏感にとらえます。

えっ、夫って? 

はい。そうです。『夫』です。

彼女の話を聞けば「アナタが妻に邪険に扱われる理由」が、よ~くわかります。「何いってんだよ! 俺は威厳を保ってるぞ!」と口を尖らせてるア・ナ・タ。アナタだって、明日は我が身かもしませんよ~。

というわけで、大型連載「他人をバカにすることで生きる男たち」。

さっそくチヒロさんが明かした「ウチの夫」話しを聞いてみましょう。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

チヒロ「ウチの夫、なんでこの人、こんな魅力ない人になっちゃったんだろうって感じで。顔を見るだけで吐き気がするくらいイケてない。オーラゼロ! っていうか、一緒にいるとこっちに、負のオーラ、が伝染するんじゃないかっていうくらい、冴えない男になり下がっちゃったんですよね~」

カワイ「(苦笑)ずいぶんと……アレですけど……。なんかきっかけがあったんですか?」

チヒロ「昇進です」

カワイ「へ? どういうことですか?」

チヒロ「私が人事部長に昇進してから、夫はそれまで滅多に言わなかった同期や会社の悪口を、辛辣な口調で言い出すようになりました。

最悪だったのは『うちの会社も、結構なポジションを女性枠にしてんだよな~』ってぼやいたことです。『うちの会社も』の『も』ってひどくないですか? 

アレは明かにワタシに対する当てつけですよ。頭きて頭きて。寝入りばなをド突いてやろうかと思いましたよ」

カワイ「は、はげしいですね…(冷汗)」

チヒロ「ああ、でもそんなのは夫婦ですから、まだいいんです。私がいちばんムカついてるのは、二言目にはセカンドライフ、セカンドライフって、 しけた顔で言うこと。こっちは部長になって、これからだって思ってるのに、夫は役職定年のことしか頭にない」

カワイ「でも、そういうダンナさん多いみたいですよ。私の友人も愚痴ってました」

チヒロ「でしょっ!あれって、どうなんですか? 

昔は「3高(高学歴、高収入、高身長)」だったのに、今は野心ナシ、欲望ナシ、危機感ナシの「3ナシ」です!

私、自分が人事にいるからわかるんです。会社は何もしない“クマの置物”を囲っておくほど余裕はありません。つまんない顔して、愚痴ばっかりタレる人って、絶対に若手の教育もしない。妙なプライドが邪魔するんです」

カワイ「クマの置物(笑)。昔はどこの家庭にもあったけど、使い道がひとつもないってヤツですね」

チヒロ「そうです」

カワイ「でも、人事部ってラインをはずれたベテランを教育係に回すことって、普通にやってませんか?」

チヒロ「はい。やっています。中には、そこで水を得た魚のように仕事をして、若手から慕われる人もいます。大抵、そういうのは現場畑を歩いてきた人です。うちの夫みたいに現場をしらないホワイトカラーは、使い物にならない。それにある程度まで同期と出世を競ってきたって自負があるから、『貢献してた感』が高いからたちが悪い。

エリート街道を歩いてきたひと程、後輩の育成はしません。彼らは部下を育てることが自分にとってメリットがあるからやってきた輩なんで、自分の評価につながらない後輩育成には興味がないんです。

彼は今まで私の一番の理解者であり、応援者でした。仕事のこともよく話しました。お互いに成長してるって感じが好きでした。なのに、セカンドライフだの、老後どうする? だの……、そんな先の話ばっかりでうんざりしてます。

だいたい私たちが老後を迎えるときには、世の中どうなっているかわからないですよね。

悠々自適な生活ができるのは、せいぜい今の60代まででしょ。ったく。男たちはつまらないですね。いや、ウチの夫がつまらない。

本当最悪です」



“ウチの夫”話は以上です。



女性誌の編集に長く携わった編集者が、以前面白いことを教えてくれました。

記事の新規購入は2023/03をもって終了しました