■緊迫化してきた北朝鮮情勢・脱デフレはイリュージョン・建設株とカルビー株
●北朝鮮の核ミサイルを米軍がすべて撃ち落とせるという保証はない
北朝鮮が自国からアメリカ本土まで到達するICBM(大陸間弾道ミサイル)などの核兵器開発を進めていることについて、トランプ大統領は4月6日の安倍晋三首相との電話会談で「すべての選択肢がテーブル上にある」と述べました。つまりアメリカは、核兵器開発をやめない北朝鮮に対し先制攻撃も辞さないということです。トランプ大統領の誕生によって北朝鮮をめぐる情勢は一段と緊迫してきたともいえるでしょう。
核保有国として認めてもらったうえでアメリカと対等に付き合いたいというのが北朝鮮の意向ですが、アメリカにはまったくそんな気はありません。だから北朝鮮は、アメリカを振り向かせるために核兵器開発に力を入れ、核兵器を実際に使うかもしれないと思わせるような行動に出てきました。すなわち、核実験を繰り返すとともに核弾頭搭載可能な射程の異なるミサイルの発射実験を何度も行ってきたのです。北朝鮮は通常兵器ではアメリカにはまったく歯が立たないからこそ、核兵器によって軍事力のアップを誇示しているという見方もできます。
北朝鮮は4月15日に故金日成主席の生誕105年を軍事パレードで祝ったのですが、このとき、朝鮮労働党副委員長は「アメリカが無謀な挑発をするのであれば、わが革命武力は即時、殲滅的な攻撃を加え、全面戦争には全面戦争で、核戦争には核打撃戦で対応する」と力説してアメリカとの対決姿勢を鮮明にしました。
トランプ大統領が米軍の第7艦隊に攻撃命令を出せば、北朝鮮の軍事力を短時間にすべて破壊できるはずですが、その前に北朝鮮も何発もの核ミサイル発射によって反撃するでしょう。もちろん米軍はこの核ミサイルを撃ち落とす力を持っています。とはいえ発射された核ミサイルをすべて撃ち落とせるという保証はありません。1発でも在日米軍基地、あるいはアメリカ西海岸に落ちたら大変なことになります。とすれば、さすがのトランプ大統領も先制攻撃には非常に慎重にならざるをえません。一方、核ミサイルを持っている以上、北朝鮮のほうもアメリカに対して先に核ミサイルを撃つ可能性はつねにあります。