「思い出のぞき窓」実験にご参加ください [研究室のいま]

 [世界VR史]を書いているが、それと並行して、[研究室のいま]シリーズを折に触れて書いていきたいと思う。こちらの方では、このメディアに合わせて、いろいろな試みを行ってみたい。さて、第1回は「思い出のぞき窓」の実験についてである。

 我々の研究室では、上の写真のような、ARで思い出の風景を映し出すアプリを作ってきた。しかし,多くの人が自由な場所で体験するためには、コンテンツが圧倒的に不足である。

 YoutubeやWikipediaなど、現在成功しているデジタルメディアは、そのほとんどがユーザー・ジェネレイテッドである。Youtubeにおけるコンテンツの充実や影響力はいまや誰もが知るところとなっている。実のところ、VR/ARという技術はまだ、こうした側面に踏み出してはおらず、ユーザの役割はまだ受動的なものである。VR/ARが本格的に普及していくためにはその方向への進化が必要であって、「思い出のぞき窓」でも,ユーザの積極的な関与の仕方について研究している。 

 考えてみれば、InstagramやTwitterには毎日のように多くのユーザが大量の思い出の写真をあげている。さらに、その古い写真がどの場所にあたるかを探し出すことは、推理小説的面白さもあるはずである。研究室では、ユーザがAR体験をしたい思い出の写真の現在の位置と風景を同定し、ARコンテンツを自ら作成できるプラットフォームを作成しつつある。

現在はiOS(iPhone,iPad)のみの対応であるが、興味があれば下記よりアプリをダウンロードし、各々の思い出の写真で思い出の街のARを作成してみてほしい。ご意見などは<omoidenozokimado@cyber.t.u-tokyo.ac.jp>まで。



参考リンク:http://nozokimado.org/app.php