SIGGRAPH2018で思ったこと [研究室のいま]
8月中旬に毎年恒例のSIGGRAPHに行ってきたのだが、昨年同様だいぶ時間がたってしまった。研究室からはCPD(Computational Perception Design: VR空間の中で大きな道具を振り回すような体験を、はるかに小さなデバイスを使って実現できる技術)のデモをEmerging Technology(E-tech) のカテゴリで行った。学生がこういうイベントに積極的で、興味...
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8月中旬に毎年恒例のSIGGRAPHに行ってきたのだが、昨年同様だいぶ時間がたってしまった。研究室からはCPD(Computational Perception Design: VR空間の中で大きな道具を振り回すような体験を、はるかに小さなデバイスを使って実現できる技術)のデモをEmerging Technology(E-tech) のカテゴリで行った。学生がこういうイベントに積極的で、興味...
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VRと関係の深い分野の一つがテレプレゼンスである。今いる場所と遠隔地とを高い臨場感で接続し、空間的に自分の身体を拡張しようという技術である。先端的な遠隔操作技術といってもよいだろうし、VR技術とロボット技術の境界領域ということもできるだろう。 九州の雲仙普賢岳が約200年ぶりに噴火したのは1990年のことである。とくに、1991年6月3日に発生した大規模火砕流では、40名以上の死者が出た。...
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この2月1日、東京大学の全学組織として、バーチャルリアリティ教育研究センター(通称VRセンター)が発足した。考えてみれば、バーチャルリアリティという言葉を冠した全学組織は、国立大学の中でも初めてに近いのではないかと思う。1日に行った記者会見で配布された資料をここに掲載しておく。いくつかのメディアで紹介されているので、ご参照いただきたい。 前回、ワシントン大学のHITラボの話を書いた。そし...
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今回はやや地味であるが、重要な話題を紹介したい。ある技術が発達していくためには、その背景となる確固たる学術組織が必要である。技術を作り上げていく上で必要な知識が作り出され、それが共有されることはもちろんのこと、人材の育成など、種々の効果があることは言うまでもない。 中でも国際会議の存在はアカデミアの形成において重要である。現在、VRの学術的コミュニティの中で最重要とされる国際会議はいくつか...
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東京の山手線内側のほぼ全域にわたる1/1000都市模型を森ビルが持っていることをご存じだろうか。東京タワーがちょうど30cmぐらいになる。今回はそのルーツとVRにかかわる話題である。 写真提供:森ビル 東京・六本木にあるアークヒルズは、日本初の本格的インテリジェントビルとして1986年に完成した。創業者の強力な意思により、37階建てのオフィス棟の地下に、アーク都市塾という企業や大...
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著者の研究室にはデジタルミュージアムというグループがある。VR/ARの博物館応用のグループであり、活動の一部は[2016年12月9日][2017年5月21日]の記事などで紹介している。今日は、なぜこのグループが発生したかについて書いてみる。 そもそもの話は、岐阜のMVL(Multimedia Virtual Lab.)プロジェクト[2017年7月1日]の後継として、当時のTAO(通信・放送...
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すぐに書こう書こうと思いながら、数週間が経過してしまったSIGGRAPH2017報告である。SIGGRAPHとは、米国計算機学会(ACM)のコンピュータ・グラフィクス部門の年次大会である。今年はロサンジェルスで開催され、参加者数は14,000人に上った。(それでも1990年代には40,000人を超えたこともあったそうで、最近はコンパクトになった。)会議の構成は、通常の学会のような論文発表会...
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この分野の先駆者的ジャーナリストである朝日新聞の服部桂記者は、人類最初のバーチャルリアリティはアルタミラの洞窟にあると書いた。ここまで遡らずとも、VRと洞窟の関係は深い。今回の話も先述のCABINの先祖であるCAVEの話である。 そもそも、CABINが作られたのは、東大にベンチャービジネス育成のための施設を作るべしという文部省(当時)の施策が発端である。著者のもとに、その施設にVR装置を計...
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CABINに遅れること約一年、1998年、さらに大きなIPT(Immersive Projection Technology)装置が岐阜県に完成する。これはCOSMOSと呼ばれ、CABINの5面に対して、6面のスクリーンを持つ。立方体の側面数が6面であるから、視野のすべてが立体映像で覆われる究極の装置である。 実はその計画の始まりはCABINより早い。そもそも、VR技術によって...
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前回予告の10号御料車車内のインタラクティブ映像を下記サイトに掲げておくので、体験していただければ幸いである。http://www.cyber.t.u-tokyo.ac.jp/~digitalmuseum/WebGoryousya/walkthrough.html FirefoxおよびGoogle Chromeにて動作することを確認している。それ以外のブラウザーでは正常に表示されない場合が...
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