私たちの健康と病院 武田邦彦集中講座『経営メディアの錯覚を切る!(5)』



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◆コレステロール基準値の見直しに病院側が猛反対「薬が出せなくなる」

今から15年ほど前のテレビを思い出してください。テレビの人気番組が「**は健康に良い」というと、主婦がスーパーに殺到してあっと言う間に商品がなくなるということもありました。でもしばらく経つとそれもほとんど根拠がないことがわかり、最近では影を潜めています。当時は健康ばかりではなくNHKが数時間ごとに「今からでは間に合わない」と環境破壊を煽っていたのも記憶に残っています。

今から10年ほど前のテレビを思い出してください。テレビはさらに踏み込んで、血圧、コレステロール、生活習慣病などの改善を呼び掛け、上から目線で「ああしろ、こうしろ」と「視聴者を指導」したものです。

でも、ウソはそれほど長く続かず、3年前には血圧の基準(130)がおかしいという声明が日本ドッグ学会からでて、2年前には厚労省が「コレステロールは食事に寄らない。卵や油っぽいものを食べてもコレステロールは変化しない」と発表するまでになりました。8年ほど前の厚労省内部の検討会では「コレステロールの基準を高くするべきではないか」との意見に対して、病院側から「薬が出せなくなり病院経営が破綻する」との反対意見がでていました。

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