話せないなら書きましょう♪ 私が自信を持てるようになった瞬間 『ハーバード留学記Vol.18』 山口真由

 続く授業は”Art of Social Change”。この授業では、特に貧困層の子どもたちに対して、どのように教育を授けるかという、取組が紹介されている。

 この授業では、各回ごとにその道の第一人者がスピーカーとして招かれて、それぞれの取組について講演する。ときには、若者ホームレスの回には、実際にホームレスという境遇に陥ってしまった若者が講演に来て、そこに至るまでの自分の境遇、今抱えている困難、将来の希望を自分の言葉で語って、大きな感動を得た。

 今回、この記事で書きたいのは、劣等生だった私がオールAを取れるように転身したはじめの瞬間のこと。

 そう、英語を話せない私は、話すことを要求される授業では大きく後れを取っていた。質問ができない、当てられるのが怖い、他の学生の質問が聞き取れない。そんな劣等生だった私が転換したのは、この授業で出したひとつのレポートがきっかけだった。

 私たち日本人というのは、文法の授業をみっちりと受けている。話すことは苦手であっても、書くことには一日の長があるはず。だから、話せないなら、とにかく書きなさいというのが、私のお勧めである。

 これは英語でなくたって、話すのが苦手な人にとにかくお勧めの手法である。話すのが苦手な私は、とにかく話す前に全部書く。それから書いたものを1回読み上げる、次は原稿を見ずに話してみる、最後は鏡の前なんかで話してみる。そのくらいすると、「あの~」とか「その~」とか言い続ける自分にイライラしながら、さらに「あの~」と言い募ってしまうというトラウマ体験はしなくて済むようになる。

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