こんにちは、結城浩です。
先日、ある方から、
「結城さんは、他者との関係で心がけていることはありますか」
という質問をいただきました。

私は私なりに心がけていることはたくさんあるので、答えることはなかなか難しいのですが、すぐに思いついたことを答えました。他者との関係で心がけていること、それは、
・自分から悪をなさない。
・相手の行為の背後に悪意があると思わない
(少なくともはじめからはそう思わない)。
・意図せず相手に害をなしてしまった時は素直に謝る。
という三点でした。
もちろんこれらはあくまで「心がけ」であって、いつもこのようにできると主張しているわけではありません。でも、「心がけ」を答えてみることで、
「自分がふだん大切に思っていること」
が、ちらちらと姿を見せるようです。
たとえば上に書いた三つの項目はいずれも相手と自分との間に、何かしらの衝突があるとき/あったときのことを想定しています。
一つ目の「自分から悪をなさない」というときに考えていたのは、相手から自分に「悪いこと」をされたときに、それに対して自分から仕返しをするかどうかについて考えていました。相手が自分に対して悪(と感じられること)をしても、自分からは悪をなさないようにしよう、という心がけです。
二つ目の「相手の行為の背後に悪意があると思わない」というのは、相手が自分に対して悪(と感じられること)をしても、それが相手の意図的なこととは思わないようにしようという心がけです。誰しも「我知らず」人を傷つけたり、人に迷惑を掛けてしまうことはあるものです。相手が自分を傷つけるときがあったとしても、それはもしかしたら相手が意図せず行ったことかもしれないと思うようにしよう。
それに続けて(少なくともはじめからはそう思わない)とカッコ付きで補足しました。悲しいことに、現実の世の中では意図的に人に迷惑を掛ける人も存在します。相手が自分に対して意図的に悪さをしてくる可能性はあるわけですから、その際には、自分は自分(や家族)の身を守らなければなりません。あまりにもナイーブではまずい。私はそのように思っています。
三つ目の「意図せず相手に害をなしてしまった時は素直に謝る」という心がけは、自分が我知らず人を傷つけてしまったときのことを考えて書きました。これが特に起こりやすいのは、メールやネットなど、相手のコンテキストや立場がよくわからないときです。
「そういうつもりじゃなかったんだけど」
と言い訳したくなることもあるでしょうけれど、まずは相手が何かしら気持ちを害したり、不利益を被ったときには、素直に謝るように心がけたいと思っています。
このように見てくると、結城が答えた「他者との関係で心がけていること」
というのは、聖書の中にある、
「へびのように賢く、はとのように素直であれ」
(マタイによる福音書10章16節)
という言葉と、どこか呼応しているようにも思います。
あなたは「他者との関係で心がけていること」は何かありますか。
その「心がけ」は「自分がふだん大切に思っていること」とどんなふうに関わっているでしょうか。
(結城メルマガVol.092より)