
こんばんは。俣野成敏(またのなるとし)です。
投資家を目指す方にはお馴染みの、世界的なベストセラー『金持ち父さん貧乏父さん』。著者のロバート・キヨサキ氏は大学卒業後、軍隊に入隊し、ベトナムに出征します。帰還後はゼロックス社に入社するも、1977年に起業。製造したナイロン製のサーファー用財布が大当たりします。そこで翌年にはサラリーマンを辞めて事業に専念しますが、模倣品が氾濫して苦戦を強いられます。
後年、キヨサキ氏は当時のことを振り返り、「あのビジネスが失敗した一因は、特許弁護士に支払う7000ドルを節約したことだった」と話しています。氏は、こう言います。「たいていの人はいい起業家にはなれない。なぜなら賢くお金を使うのではなく、お金をひたすら使わないようにする人が多いからだ」、と。
特に起業したてで、収入が入ってこないのにお金ばかりが出ていくことの恐ろしさに、大半の人は耐えられないのだ、というのです。
★俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編
【Vol.106『ラットレースから抜け出す方法(上)』目次】
〔1〕本文:「名言から、投資家になる方法を学ぼう!」〜ロバート・キヨサキ氏《ラットレースから抜け出す方法・前編》〜
1、グラウンド・ゼロは「キャッシュフロー・クワドラント」より始まる
◎「自由を得る」ためのヒントは、“クワドラント”の中にある
《クワドラントの活用方法》
◎キヨサキ氏の人生に見るクワドラントの移行方法
2、ラットレースを抜け出すためのステップを上る
◎なぜ今、「自分のために働くことを考える」なのか?
◎その借金は、本当に自分のためになっているのか?
《自分のキャッシュフローを管理する方法》
◎見えない恐怖よりも、見える恐怖のほうが恐い
〔2〕次回予告(予定):「名言から、投資家になる方法を学ぼう!」〜ロバート・キヨサキ氏《ラットレースから抜け出す方法・後編》〜
〔3〕編集後記:「何を買ったらいいですか?」
〔4〕今後の特集スケジュール:2018年9月〜10月予定
◆〔1〕本文:
「名言から、投資家になる方法を学ぼう!」〜ロバート・キヨサキ氏《ラットレースから抜け出す方法・前編》〜
「多くの人がお金との付き合い方を知らないために、起業はおろか、人生すらも振り回されている」、とキヨサキ氏は言います。氏はその様子を“ラットレース”にたとえています。ラットレースとは、ネズミが回し車の中をぐるぐる走り続けるように、働き続けなければ生活が成り立たず、一瞬たりとも立ち止まることを許されない自転車操業状態の家計のことを指します。
今回は、「ロバート・キヨサキ氏に学ぶ『ラットレースから抜け出す方法』」特集をお送りします。本特集では、キヨサキ氏の『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』の中にある名言を解説することによって、あなたのマネーリテラシー向上という観点からも、また思考の整理にも役立つのではないかと考えました。
※まだ、お読みでない方はどうぞ↓
■1、グラウンド・ゼロは「キャッシュフロー・クワドラント」より始まる
キヨサキ氏は、「ラットレースから抜け出すためには、ビジネスオーナーか投資家を目指すことが不可欠だ」と言っています。このメルマガをお読みの方の職業は、さまざまだとは思いますが、ここでは一応、「サラリーマンが投資家とのハイブリッド(兼業)を目指す」という設定でお話し、補足で自営業者、ビジネスオーナーの話も入れたいと思います。
【「自由を得る」ためのヒントは、“クワドラント”の中にある】
当メルマガではすでにお馴染みの、キヨサキ氏が提唱したキャッシュフロー・クワドラント。「忘れてしまった」という方や、最近になって当メルマガにご登録いただいた方のために、簡単に説明しておきます。キャッシュフロー・クワドラントとは、人が収入を得るための方法(つまり職業)を、4つに区分けする考え方です。その4つとは、
・E(Employee:従業員)
・S(Self Employed:自営業者) ↑時間の制約を受ける
・B(Business Owner:ビジネスオーナー) ↓時間の制約を受けない
・I(Investor:投資家)
です。
サラリーマンの方はEに所属し、フリーランスの方はSに、自分のビジネスを所有してマネジメントを任せているオーナーの方はBに、投資から収益を得ている方はIに、それぞれ属しています。では、こうして職業を分けることに一体、何の意味があるのかというと、「現在位置の把握」と「将来的に目指す方向を決める」ためです。今のような不安定な時代に、1つの職業にしがみ付くことは危険であるため、このメルマガでは複数の職業を掛け持ちする“ハイブリッド・クワドラント”をオススメしています。
上の図のように、EとSは自らの時間を使ってお金を生み出すために、時間の制約を受けることになります。それに対して、Bは自分の代わりに従業員を雇用し、働いてもらう職業であり、Iはお金に働いてもらう職業です。このような性質から、ハイブリッドを検討する際は、なるべく時間の制約を受けるもの同士で掛け持ちしないほうが望ましいと言えます。理由は、私たちの時間には限りがあるからですが、もちろん戦略的に、期限を区切ってやる分には構いません。
「戦略的に」というのは、「軍資金を貯めるため」とか「ビジネスモデルを勉強するために、あえて掛け持ちする」といったことです。そういうことは知らずに、すでにハイブリッドをしている人も中にはいるでしょう。たとえばサラリーマン(E)の方が副業(S)を行っていたり、株式投資(I)を行っていたり、などです。キャッシュフロー・クワドラントの考え方を取り入れるために、私はセミナーなどで以下のようなワークをオススメしています。
《クワドラントの活用方法》
(1)紙にクワドラント図を書いて、自分の現状を%で記載する。たとえば収入のうちの90%をサラリーマン給与から得ていて、10%を株式投資で得ているのであれば、(E)の欄に90%、(I)の欄に10%と記入する
(2)将来的に、この割合をどうしていきたいのかを考える。たとえば「(E)90%→50%」、「(I)10%→50%」というように書き込む
(3)自分の希望を実現するためには、どのような行動を取ればいいのかを考え、できることから始める