『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』出版記念号(2)~仮想通貨を取り巻く課題~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol.87

『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』出版記念号(2)

~仮想通貨を取り巻く課題~

こんばんは。俣野成敏(またのなるとし)です。

仮想通貨とは別名「暗号通貨」とも言われている通り、最先端テクノロジーの塊です。その仮想通貨の利用範囲が現在、急速に広がりつつあります。

中古車ガリバー 1億円までビットコインを受け付け開始

中古車販売店「ガリバー」を経営しているIDOMが、手がけている輸入中古車販売専門チェーン「リベラーラ」で、代金支払いの際にビットコインの受付を開始しました。最近は、大手販売店でも仮想通貨を扱う動きが増えてきましたが、それでもビックカメラで30万円、HISで200万円までを受け付け可能としてきたのに対して、「1億円まで受け付け可能」としたのは破格です。

もともと、車の購入は現金が基本です。手数料の関係で、今でもクレジットカードで車を買えるところは多くはありません。「代わりにローンがあるじゃないか」と思った人もいたかもしれませんが、お店側にとっては、ローンも現金と同じことです。

当然ながら、高額のローンを組めば「金額が大きい分だけ、比例して手数料も高くなる」という問題があります。ところが今回のニュースは、ビットコインにとっては「手数料は関係ない」ということが証明されたようなものでしょう。それを気にしていたらやらないはずです。これまで現金オンリーだった車がビットコインで買えるということは、「=ビットコインで何でも買える」と考えて構わない、ということを意味しているのではないでしょうか。



【Vol.87『仮想通貨書籍出版記念(2)』目次】

〔1〕イントロ:「手軽さと引き換え」に失ったもの

〔2〕本文:『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』出版記念号(2)〜仮想通貨を取り巻く課題〜

1、ハードフォークとは何なのか?

 ◎ハードフォークによって生まれたコインの正体

 ◎“ハードフォークコイン”に潜む危険性

2、金融とは「現代の錬金術」なのか?

 ◎ビットコインの価値の源泉

 ◎“金融”が成り立っている仕組み

3、我々は税金とどのように向き合うべきか?

〔3〕次回予告(予定):『トップ1%の人だけが知っている「仮想通貨の真実」』出版記念号(3)〜仮想通貨を待つ未来とは〜

〔4〕今週のQ&Aコーナー:「効果的なビジネス書の読み方」ってあるのでしょうか?

〔5〕編集後記:書店トークライブやります!

〔6〕今後の特集スケジュール:2018年2月〜3月予定



◆〔1〕イントロ:

「手軽さと引き換え」に失ったもの

一方、気になるニュースも入ってきています。クレジットカード大手のマスターカードの発表で、「仮想通貨購入目的」でのカード利用が伸びた結果、年初来から短期間のうちに売り上げが22%も増加した」ということです。当時、クレカを使って仮想通貨を購入した多くの人が、上げ相場の時に買ってしまったことになります。今ではピーク時の半値以下に下がってしまった現状を目の当たりにして、青ざめている人がどれだけいるでしょうか。

あまりの惨状に、さすがのクレカ業界も動き出しました。

仮想通貨取引所Zaif クレカでの仮想通貨購入を一時停止

記事によれば、アメリカ情報サイトの調べで、仮想通貨を所有する19%の人がクレカでコインを購入しており、そのうちの47.6%の人が借金を返済できていない、ということです。

クレカの「“今すぐ欲しい”を叶える」という性質は、本来「中長期的視野からお金を投じることを基本とする」投資とは真逆の考え方だと言えるでしょう。確かに、投資でも不動産などでレバレッジ(借金)を活用することはありますが、それは「自分の信用情報を差し出した結果」です。株やFXのレバレッジに至っては、ほぼ投機目的であって投資とは呼べません。クレカで購入している時点で、煽られている事実に気づくべきです。

前回のメルマガの中で、「私たちは常に何かと何かを交換している」という話をしました。

「投資商品を分割払いで買う」という発想は、「すぐに儲けたい」とか「今、買えば大金が手に入るに違いない」という、何でも「簡単にこの場で満足できることを良しとする」今の風潮そのもののようにも見えます。現在、世を騒がせているコインチェック事件など、その最たる例だと言えるでしょう。

「速さと使いやすさ」をウリにしていたコインチェック。手軽さと引き換えに私たちが差し出していた「安全」という名の犠牲は、あまりにも大きなものでした。私たちは今度こそ、この失敗から学ぶことができるのでしょうか?

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