「人類未曾有の超高齢化社会の行く末とは?」(中)~少子高齢化時代の「リタイヤ」を考える~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol.71

「人類未曾有の超高齢化社会の行く末とは?」(中)

~少子高齢化時代の「リタイヤ」を考える~

 こんばんは。俣野成敏です。

 人間にとって、お金がどれだけ大きな存在であるのかを示すよい例があります。これはある起業家が、自書の中で述べているエピソードです。

「私がこれまで人生で一番不安を感じたのは、本格的に起業家になるために会社を辞めた日だ。明日からもう給料はもらえない。健康保険も年金もない、病気欠勤に対する保障もなければ有給休暇もない・・・。 会社を辞めた瞬間に、私は他人に雇われている多くの人がなぜ起業家になろうとしないのか、その理由がわかった。それはお金がないことに対する不安だ。収入が保証されていないこと、安定した給料のないことに対する恐怖だ。お金がない状態で長い間持ちこたえられる人間は非常に少ない」(ロバート・キヨサキ『金持ち父さんの起業する前に読む本』)

 上記は、ロバート・キヨサキ氏が起業家としての第一歩を踏み出した時の様子です。キヨサキ氏のように、幼少の頃から起業家になるべく教えを受けてきた人でさえ、サラリーマンを辞めた時にこのように感じたというのですから驚きです。それだけ私たちは「お金がなくなることに恐れを抱いている」ということがお分かりいただけるのではないでしょうか。



【Vol.71『リタイヤ論(中)』目次】

〔1〕イントロ:「念願叶ってリタイヤした後」の先にあるものとは?

〔2〕本文:「人類未曾有の超高齢化社会の行く末とは?」(中)〜少子高齢化時代の「リタイヤ」を考える〜

1、リタイヤは「バラ色の世界ではない」

 ◎理想のリタイヤをするには、「計画と実行」が不可欠

 ◎ハメを外しすぎたツケは後に回ってくる

2、それでも早期リタイヤをしたい人は

 ◎まずは「可処分時間を意識する」ことから始めよう

 ◎目的のないリタイヤでは「路頭に迷う」

3、早期リタイヤの近道とは「サラリーマンをやり尽くす」こと

★本日のワンポイントアドバイス☆★

☆今週の宿題★☆

「自分の老後はいつなのか?」を考えてみよう

〔3〕次回予告(予定):「人類未曾有の超高齢化社会の行く末とは?」(下)〜少子高齢化時代の「リタイヤ」を考える〜

〔4〕今週のQ&Aコーナー: 投資のリスクを回避する方法って?

〔5〕ニュースのビジネス的着眼点: 変わりつつある「日本の常識」

〔6〕編集後記:  当マネースクールにも通ずる古典の名作が、アンリミテッドで読み放題!



◆〔1〕イントロ:

「念願叶ってリタイヤした後」の先にあるものとは?

 世の中の多くの人が、「お金持ちになって南の島でのんびり、何も考えずに暮らしたい」と思っているようです。だったら、仮にそれをある日、とうとう実現できたとしたら、その先には何が待っているのでしょうか?

 昨年(2016年)発売され、話題を呼んだ清武英利氏の『プライベートバンカー』。金融都市・シンガポールを舞台に、普段、伺い知ることのできない富裕層の生活ぶりや、彼らの資産を守り増やすことを任務とするプライベートバンカーの知られざる世界を垣間見ることができます。

 物語の中では、世界一高い日本の相続・贈与税を逃れようと、多くの日本人がシンガポールに居を移し、ほとぼりが冷めるのを待っている様子が描かれています。たとえばある富豪は、毎朝、起きて「何もやることがないことに気づくのが、もっとも怖い瞬間だ」といいます。

その他、現地に溶け込めず、日本人が経営しているおでん屋で寂しく酒を飲む大金持ち。家族を日本に残し、一人異国の地で暇を持て余している元メーカーの会長等々。一言で言うと、人生に飽きてしまった人たちです。

 かつて、日本には「相続人、被相続人がともに国外に5年以上居住すれば、海外の財産には相続・贈与税がかからない」という5年ルールが存在していました。しかし2017年の4月より“10年“に変更になっています。それまで「何とか5年頑張れば」という人が結構いたようですが、10年となると、下手をすればそのまま異国の地で骨を埋めることになりかねません。

 成功して、お金の不安もなくなったはずの人たち。念願叶ってリタイヤしたはずの彼らですが、必ずしも悠々自適とはいかないようです。

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