最新刊11.28発売『ふくしま式で最難関突破! 男女御三家・難関校 中学入試国語を読み解く』

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掲載過去問一覧(入試問題本文及び設問、完全掲載)

▼御三家

開成2019 松村圭一郎『うしろめたさの人類学』説明的文章

開成2020 朝比奈あすか『君たちは今が世界』文学的文章

開成2018 グラフ・文章の読み取りと短作文

桜蔭2020 まはら三桃『思いはいのり、言葉はつばさ』文学的文章

桜蔭2018 押井守『ひとまず、信じない 情報氾濫時代の生き方』説明的文章

麻布2020 宮下奈都「まだまだ、」『つぼみ』文学的文章

女子学院2020 阿純章『「迷子」のすすめ』説明的文章

武蔵2018 石黒浩『アンドロイドは人間になれるか』説明的文章

雙葉2020 武田邦彦『二つの環境 いのちは続いている』説明的文章

▼難関校(御三家以外)

駒東2019 戸森しるこ『夏と百花とカルピスと』文学的文章

豊島岡2019 松村圭一郎『うしろめたさの人類学』説明的文章

灘2019 稲垣えみ子『アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。』説明的文章

浅野2019 村上春樹『職業としての小説家』説明的文章

洗足2020 草野たき『グッドジョブガールズ』文学的文章

聖光2019 池谷裕二『脳には妙なクセがある』説明的文章

渋幕2018 養老孟司『養老孟司の幸福論 まち、ときどき森』説明的文章

栄光2019 こまつあやこ『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』文学的文章

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はじめに

これなら解ける。これなら教えられる。

そう思っていただけるだろう。

難関中学入試における国語読解は、大学入試に匹敵するような難易度の問いも多い。とりわけ記述式設問については、いったいどう教えればよいのか、途方に暮れてしまう。いわゆる過去問集の解説を見ながら教えようとするが、まず自分自身がよく理解できていないから、当然子どもに教えることもできない。模範解答を写させて終える罪悪感。そもそも、大人の自分でもこんな解答のようには書けない。内心はあきらめの境地。だが、それでも何とかしたい。しなければならない――。

それが本音であろう。わが子に国語を教えようと奮闘するお母さんお父さんはもちろん、プロとして日々子どもの前に立っている塾の先生方であっても。

この本は、そんな方々のためにある。

この本は、あなたを、子どもを、絶望の淵から救い出す。

これまであなたが目にしてきたどんな解説書よりも、圧倒的に詳しく、圧倒的に役立つ。

この本で学んだ子は、「合格」の二文字に確実に近づく。

「ふくしま式」問題集シリーズ(大和出版)を使っている子はもちろん、そうでない子も、この本によって大きく飛躍することができる。

さあ、今すぐ始めよう!

「国語力」とは? 「合格力」とは?

国語力とは何か。その問いについて、私はこれまで、24冊の本の中で明確な答えを出してきた。

国語力。それは、「論理的思考力」である。

論理的思考力。それは、シンプルに言えば「関係整理力」である。

関係整理とは、一見つながりがないように思える言葉と言葉の間に、つながりを見出すことだ。

つながり(関係)は、大きく3つに分けることができる。

第1に、「同等関係」(抽象・具体の関係)。

第2に、「対比関係」。

第3に、「因果関係」。

これらの内実については後述する。ここではあえて、別の話をしたい。

何しろこの本は、単に「国語力を高めたい」人のための本ではない。「御三家」と呼ばれる私立中学校、あるいはその他の難関中学校に合格したい(させたい)人のための本である。

そこで必要になるのは、いわば「合格力」である。

難関中学校の先生方は、ひとことで言えば「大人な子ども」を求めている。

だから、合格力とは「大人力」のことである。

そして、大人力を測るのに最適な教科。それが国語である。

中学入試国語では、「常識」が問われる。

常識とは、第一に、よく知られた対象を区別できることを意味する。「これは赤色、これはピンク色、これは紫色」というように、多くの「名前」を知っていることである。狭い意味での「知識」と考えてもらってもよい。

第二に、真偽ないしは価値を区別できることである。「富士山は日本で一番高い山だ」「日本人は以心伝心を美徳としており何でもかんでも言葉で表現しようとは思っていない」「困っている人には手を差し伸べるべきだ」などということを「知っている」かどうかだ。これには、体験的知識も含まれる。「優勝は準優勝とは全然違うね」「彼女のような人を、親友と呼ぶんだと思う」などというように。

そういった常識を持っているのが、「大人」である。

さらに中学入試国語では、そういった常識を踏まえた上で、「逆説」も問われる。

「これは本当にピンクと呼べるか?」「富士山は高さでは日本一だが美しさではどうか?」「日本人は本当に言葉で表現するのが苦手なのか?」「困っている人には、無条件で手を差し伸べるべきなのか?」「準優勝は劣るのか?」「それが本当に親友か?」などというように常識に疑問を呈する文章が、子どもたちに提示される。あるいは、自ら逆説化して考え、文章化するように求められることもある。

常識を持たないと、逆説にはたどり着けない。

常識をいかに持っているか。と同時に、どれだけ常識を疑い、逆説を受発信できるか。

それが、「大人力」である。

本書は、単に論理的思考の技術を身につけるにとどまらず、そういった面でも成長することができるよう配慮して書かれているということを、まず述べておきたい。

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