自ら知識を創造することが儲けにつながる~午堂登紀雄の「フリーキャピタリスト入門」

自ら学ぼうとする意志

何か新しい分野を学ぶ場合、普通は書店でテキストを買ってくるか、スクールに通うなどして学習すると思います。

しかし 大人の勉強は「独学」が基本ではないかと思います。

たとえばパソコンやインターネットが出現してからの変遷を振り返っても明らかで、多くの人はマイクロソフトのワード、エクセル、パワーポイントといったソフトウエアや電子メールなどの使い方を習得せざるを得なかった。

事業をしている人やマーケティングに携わっている人であれば、フェイスブックやLINE、インスタグラムといったソーシャルメディアの活用方法を研究しただろうし、IT関連に携わっていれば、日進月歩のプログラミング言語に振り回されているかもしれない。

そしてこれからも、新しい学習分野は数多く出てきて、対応を迫られることになるでしょう。そんな時代において、誰かに教わらなければ上達できないという依存型の人間は脆弱なように感じます。

他人から教わらなくても、自ら試行錯誤して習得・習熟できる人間が圧倒的に強いはず。

たとえば宇宙開発事業を行うスペースX社は、ロケット部品の内製化によって打ち上げコストを従来の10分の1に圧縮し、NASAを始め世界各国から衛星打ち上げの受託を得ています。

しかしこの会社を立ち上げたイーロン・マスク氏は、ロケット打ち上げなどの知識も技術も皆無から始めているし、同じくCEOを務めるテスラモーターズも自動車製造の知識は皆無。

それ今や「世界を変える男」として世界中から注目されています。(もちろん、一人での学習だけでなく、専門家とのディスカッションを通じても学んだそうです)

それに、他人が作った知識や知恵をなぞるだけでは、先駆者の「良いお客さん」で終わってしまうもの。

たとえば先行者利益という言葉があるように、多くの分野で利益を得ているのは、教科書も先生すらまだ存在しない分野で試行錯誤し、価値を出していく人間です。

そんな時代の先駆者が「専門家」として賞賛され、のちに教える側に周ってテキストを出し、スクールを開業したり、コンサルティングビジネスを始めたりして儲ける。

実際、サービス業のほとんどはコンサルティング業ですが、それを提供しているのは、いち早く取り組んでノウハウを獲得した人です。

すでにある知識を学ぶことももちろん大切。しかしそれ以上に大切なのは、自ら知識を創造すること。

当然、先生もいなければテキストも存在しない。となれば当然、独学しかないわけです。

ほとんどの人には、約40年もの職業人生があります。この長期にわたる人生で進化・成長できるのは、自分の中でモチベーションという火を燃やしながら独学を続けられる人だけではないでしょうか。

記事の新規購入は2023/03をもって終了しました