■蓄電池併用型スーパー過積載太陽光発電所の魅力
2009年から始まった電力の固定買取価格制度(FIT)ですが、10kw未満の家庭用余剰電力売電の契約期間は10年なので、来年2019年から契約終了を迎える家庭が出てきます。
そのため、昼間に発電した電力を蓄電池に貯め、それを夜に使おうという動きが加速するだろうと見られています。
すると期待できるのが蓄電池の価格下落です。普及が進めば量産効果が働き値段が下がります。
蓄電池の値段が下がれば、10kw以上の産業用にも波及し、それがスーパー過積載による蓄電池併用の発電所です。
これは先日商談したある業者に聞いたのですが、たとえば低圧49.5kwの発電所でも、たとえば300%過積載の出力150Kw分のパネルを積みます。
すると昼間の発電量は49.5kwを超えますが、これはピークカットといってパワコンによって通常は捨てられます。
私が所有している発電所の1つも、春夏の晴天時は昼間の3時間くらい49.5kwの発電に抑えられています。
この捨てられる分を蓄電池に貯め、夕方以降の発電が弱くなって来る頃に放電して売電する、という方法です。
さすがに300kwも積むと、朝の早い時間からすぐにピークとなって蓄電が始まるそうです。
50kw以上の高圧だと、キュービクルという変電設備やお役所への届け出、電気設備管理者の設置など、コストが高くなる。しかし低圧のままでやればそれらは不要なのでコストは抑えられる。
今はまだ蓄電池の値段が高くてペイしませんが、今後急速に下がっていくと思います。
その業者の300%案件でも、蓄電池を10台設置しているそうですが、容量によりますが費用はおよそ1,500万円ほど。
そこで私が出力抑制エリアの九州と徳島で買った115kwの発電所に導入すれば、仮に出力抑制がかかっても、その間は蓄電し、抑制が解除されたら放電して売電することができる。
特に九州電力管内の宮崎や鹿児島では、すでに供給オーバーなのに、まだまだ発電所が建設されています。そしてもし原発再稼働ということになれば、かなり高い確率で抑制が行われそうです。
あるいは、もし来年の産業用の買取単価が15円などになれば、それこそ産業用に大量投入され、それがさらに蓄電池の価格を押し下げてくれるかもしれない。
というのも、業者は売り続けなければならないわけですが、でも架台などの資材価格がこのところ下げ止まっているようで、それで15円になっても利回り10%以上にしようとすれば、ほとんど利益が出ない可能性があります。
でもそのくらいの利回りに設定しないと売れないでしょうから、そこで蓄電池併用で利回りを確保する発電所を提案してくるのではないか、という予想です。
出力抑制対策に限らず、売電収入アップのためにも、この方法はかなり有望ではないかと思っています。
しかし、2つ問題が。
今は信販を中心に、太陽光への融資は積極的です。しかし待っているうちに、融資が厳しくなったら?あるいはその頃には自分の年収が下がり、融資が通らなくなっていたら?
となってはただチャンスを逃すのみになりかねない。
一方、今自分の融資枠を使い切ってしまうと、蓄電池併用発電所への融資が通らなくなるかもしれない。
過積載の蓄電池併用型だと、前述の300%ではパネル3,000万+蓄電池1,500万=総額4,500万くらいになると思われますから、それなりの属性(年収や債務比率、保有金融資産など)が求められます。つまり自分がローンが組めるのかという問題。
もうひとつの問題は、蓄電池の耐用年数です。多くのメーカーが保証しているのは10年。仮に15年使えたとしても、故障したり蓄電性能が下がって交換したときにまた追加で費用がかかる。それをカバーしてなおメリットが出るかどうか。
今後は蓄電池の価格推移もウォッチしていこうと思います。