与党の過半数割れとなった英国総選挙・TDA株とクレハ株での見通し

■与党の過半数割れとなった英国総選挙・TDA株とクレハ株での見通し

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●総選挙で財政再建について明確な議論を展開できなかったメイ首相

 イギリスでは6月8日に総選挙の投開票が実施され、その結果、下院(650議席)は保守党318、労働党262、SNP(スコットランド民族党)35、自由民主党12、DUP(北アイルランド民主統一党)10、その他13という議席配分になりました。与党の保守党が12議席を減らして過半数(326議席)割れに陥った一方、最大野党の労働党は33議席を増やしました。

 本来2020年に予定されていたこの総選挙は、メイ首相が保守党の議席の上積みを狙って3年前倒しで実施したものです。議席増となれば政権基盤が強化され、ブレグジット(イギリスによるEU離脱)でEUとの離脱交渉を有利に進められる、というのがメイ首相の思惑でした。ところが、保守党は議席を増やすどころか過半数割れに追い込まれ、メイ首相の政権基盤は逆に弱くなってしまいました。議席減で保守党内ではメイ首相の責任を問う声も上がっているものの、今のところメイ首相はDUPから閣外協力を得ることで過半数を維持し政権の安定を図っていく方針です。

 メイ首相が今回の総選挙の実施を発表したのは4月18日でした。4月上旬の世論調査では保守党の支持率は44%で、労働党に対して20%以上もの差を付けており、メイ首相も総選挙での圧勝を確信していたはずです。

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