東大にVRセンター発足  [研究室のいま]

  この2月1日、東京大学の全学組織として、バーチャルリアリティ教育研究センター(通称VRセンター)が発足した。考えてみれば、バーチャルリアリティという言葉を冠した全学組織は、国立大学の中でも初めてに近いのではないかと思う。1日に行った記者会見で配布された資料をここに掲載しておく。いくつかのメディアで紹介されているので、ご参照いただきたい。

 前回、ワシントン大学のHITラボの話を書いた。そして、アメリカの研究体制の立ち上がりの速さについて述べた。今回のセンター設立は、その教訓もあって、比較的スピーディーだった。日本の大学もまだ捨てたものではない。

 センターができたということは、大学内部の結束はもちろん、外部との連携を容易にする。産学連携、企業との共同研究には大きな期待がかかっている。従来のような大企業との協働はもちろん、先鋭的なスタートアップ企業との協働も大きなテーマの一つであろう。

 今後、センターは具体的活動を開始するが、第2世代を迎えたVRを象徴するような研究を展開したいと思っている。VRリビングラボやVRギャラリーなど、利用者側のニーズに合わせた新しい研究の方法論の開発を行いたい。全学組織としてのシナジーを生かした研究プロジェクトの企画・推進はもちろんのこと、VR授業、シンポジウムやワークショップの開催なども積極的に行っていきたいと思う。

 手始めとして、3月8日に開催の情報理工学系研究科「R2Pシンポジウム」において、何人かの先生から、研究の一部を紹介する予定である。