「名言から投資の極意を学ぼう!」~ジム・ロジャーズ氏《投資家誕生編》~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol. 102

こんばんは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 金融庁の調べによって、投資信託(投信)を保有している個人投資家の半数近くが、損失を抱えていることが明らかになりました。

投信で損失、個人の約半数 金融庁調査

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32607510U8A700C1EE9000/

 これは、金融庁が投信を販売している銀行に対して行った実態調査の結果、判明したものです。「日本の金融機関は、頻繁に顧客に売買を繰り返させることによって手数料を稼いでいる」、という批判は前々からありましたが、金融庁の注意にもかかわらず、その慣行がいまだに続いていることが浮き彫りとなりました。特に毎月分配型の投信は元本を削る可能性があることは、当メルマガでも度々指摘してきたことです。

 政府の「貯蓄から投資へ」の掛け声のもと、近年の投資ブームに乗って、公募投信の残高は過去最高の約110兆円にまで伸びを示しました。しかしさすがにこの状態ではマズイ、と思ったのでしょう。以後は、金融庁主導で共通指標を設け、各金融機関に数字を公表するよう求めていく、ということです。

★俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

【Vol.102『ジム・ロジャーズ氏(上)』目次】

〔1〕イントロ:あの3大投資家も、かつては破産していた!

〔2〕本文:「名言から投資の極意を学ぼう!」〜ジム・ロジャーズ氏《投資家誕生編》〜

1、偉大な投資家の「時間の使い方」

 ◎「できた」と思っても、念のために「あともう少しやる」

 ◎実は暇な人ほど「時間がない」

2、偉大な投資家の情報収集術とは

 ◎無料の情報の中に、“掘り出し物”はほとんどない

 ◎投資する分野を限定し、情報元は複数持つ

《情報を精査するための5ステップ》

3、「私はお金で“自由”を買った」

〔3〕次回予告(予定):「名言から投資の極意を学ぼう!」〜ジム・ロジャーズ氏《日本の未来編》〜

〔4〕編集後記:福岡で「仮想通貨セミナー」やります!

〔5〕今後の特集スケジュール:2018年7月〜9月予定

◆〔1〕イントロ:

 あの3大投資家も、かつては破産していた!

 世の中の多くの人は、「投資は難しい」と思っているのではないでしょうか。たいていの人にとって、投資とは「10ドルで買った株が25ドルに上がったら売る」というようなイメージでしょう。要は「安い時に買い、高くなったら売る」というのが投資の基本原則であり、これ自体は難しくありません。問題は「これから買おうとしている株価が今後、上がるのか下がるのかは、誰にもわからない」ということです。

 通常は、上がると思っている銘柄を買うわけですが、だったら「この株は将来、値下がりする」と予想していた場合はどうでしょうか。

 投資では、値下がりが予想されるモノに対しては“空売り”という手法があります。この場合、まずは下がると予想される銘柄の株を借りてきて売り、現金を手にします。そして予測通りに下がったタイミングで、借りた分だけの株を買い戻して返却します。このようにすれば、手元には差額が残ります。

 しかし、空売りは予想が外れれば大きな痛手を負う可能性があります。普通に値上がりを期待して購入する時は、読みが外れても、基本的には出した額以上のマイナスにはなりません。ところが空売りの場合、予想に反して株価が青天井に上がっていけば、それだけ損失も膨らんでいきます。空売りは、単に「価格が高くなるのを待つ」よりも高度な手法であり、市場の動きを正確に把握し、それに基づいた予測を立てていなければできません。

 世界3大投資家の一人と言われているジム・ロジャーズ氏は、かつて空売りに失敗して、破産したことがあります。それはまだ氏が駆け出しの投資家だった1970年のこと。「株価は暴落する」と予想した氏は、有り金をはたいて空売りを仕掛けました。当時は「自分の読みに絶対の自信を持っていた」と言うロジャーズ氏。ところが株価は上昇を続け、耐えられなくなった氏は、高くても株を買い戻さざるを得なくなります。ついにはすべてを失い、借金だけが残りました。

 その後、氏が空売りを仕掛けていた6社は、3年以内にすべて倒産しました。予測自体は当たっていたのに、それに耐えられるだけの資金を残しておかなかったのが敗因でした。この経験によって、自分がいかに市場のことを理解していなかったのかを思い知らされた氏は、後年、コロンビア大学で講義をした際に、学生にこう言いました。「失敗を恐れるな。できれば早いうちに、2回破産するといい。失敗しても立ち直ることができれば、より大きな成功を収められる」と。

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