シャッター通りがなくなって明るい街に 武田邦彦集中講座『変わりそうな日本社会(1)』



Shutterstock/Kiattipong



◆明るいシャッター通りに。廃れた商店街の電気屋が活気を取り戻した理由

かつて日本の社会というのは、都会では「民家と商店街」でできていました。地方でも基本的には同じで、「民家と商店街」の外に田畑が広く拡がっていました。

でも、郊外に大きな量販店やスーパーができ、家には大型冷蔵庫がそなえられるようになって、みんなが車で買いに行くようになり、その時代の変化について行けずに駐車場も作れなかった家の近くの商店街は寂れ、いわゆるシャッター通りとなってしまい、あんなに活気があって明るい街だったのに、それが暗いところに変貌してしまったのです。

このような流れはもう変わらないと考えられていました。家にある冷蔵庫はさらに大きくなり、400リットル500リットルは普通になり、冷凍庫の容積も大きくなりました。ほとんどの家が車を持ち、誰もが免許証をとって車を運転できるようになっています。いまさら付近の商店街に買いに行く社会には戻らないし、第一、値段は高い、品物は少ないのですから、一度、大型スーパーや量販店の味をしった日本人が商店街に戻ることはないと考えられていました。

ところが、人間の知恵とは素晴らしいものです。それが根本的にひっくり返る可能性が出てきたのです。

具体的な会社の名前を出すのもとは思いますが、まだその会社しか本格的にビジネスをやっていないので、抽象的に書くより具体名の方が良いと思い、個別のお名前を出してこの画期的な試みをご説明します。

記事の新規購入は2023/03をもって終了しました