戦争当時、どうしたら平和がくると思っていたか? 武田邦彦集中講座『憲法と平和を科学で考える(1)』

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◆憲法9条があるから平和が保たれているというのは国民向けの「言い訳」

多くの日本人、特に女性が平和を望んでいます。でも、奇妙なことがあります。それは平和を熱望している女性から具体的に平和を得る方法が提案されないのです。「憲法9条で平和を守ろう」と言っていますが、そんなことはまったく外国では通用しません。

日本国憲法などは外国人は誰も知りませんし、特に他国の憲法など読むこともありませんから、第何条などといってもイメージできる人すら少ないでしょう。そして事実は、

1)日本には世界最強のアメリカ軍が駐留して、地位協定でなんでもできる権利を有していることがよく知られている

2)日本には世界で10指に入る自衛隊という軍隊がいて、しかも軍隊でない事になっているので歯止めをかけることが難しい状態であること

の2つだけが外国から見えることです。

さらに日本政府は「核武装していない」と言っていますが、外国の戦争に関する研究所は、日本が保有するプルトニウムから計算して6000発の広島級原爆を保有しているのと同等としていますし、日本には世界でも屈指のロケット技術があり、H2型では43発の打ち上げで42発が成功しているのです。

だから、憲法9条があるから平和が保たれているというのはまったくの「国内向けの言い訳」にすぎないのです。

それでは多くの女性の希望にはあわないでしょう。

私たちの戦争経験のほとんどは大東亜戦争で、すでに日露戦争などの時にご存命だった方はおられません。でも、世界、特にヨーロッパでは歴史的に戦争がうち続いていたので、「どうしたら平和を達成するか」が長い間大きな問題でした。特に17世紀に30年戦争が起き、ドイツを中心として大変な被害があったので、その後のウェストファリア条約では、いかにして平和にあるかが真剣に議論されました。

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