太陽光は儲からないのか?~午堂登紀雄の「フリーキャピタリスト入門」

■ソーラーシェアリング

農地を一時転用して営農架台で太陽光発電、その下で農業をやる「ソーラーシェアリング」の専門業者と打ち合わせしました。

場所は山梨ですが、もし地元農業委員会と銀行のOKが取れれば、ソーラーシェアリングができるかもしれません。

といっても私には農業はできないので、そこは費用を払って外注し、農産物が売れた金額をシェアするモデルのようです。

そこも含めてアレンジしてくれるとのこと。

農地には1号から3号まであり、1号農地は農業優先のため農地転用ができず、通常は太陽光事業はできません。

しかし、農業を継続するという前提であれば一時転用許可がおりることがあり、ソーラーと併用できます。

ただし、毎年収穫量を農業委員会に報告し、平均より2割以上下がってはいけないとか、いろいろ制約が厳しいのでなかなか手が付けられなかったのですが、この業者がサポートしてくれるというのでチャレンジしてみます。

また、その業者は野立て発電所も販売しており、表面利回りで13%ほど、2,500~2,800万円ほどの過積載です。

自分でファイナンスが付けられる人でしたらご紹介できますのでご連絡ください。

ダイヤモンドオンラインの太陽光発電に関する記事にモノ申す

先日の週刊ダイヤモンドのこちらの記事、「ミスリーディングであり、計算も間違っているので修正します」ということでブログに書いたコラムをご紹介します。

こちらの図ですが、計算が間違えています。

https://diamond.jp/articles/-/180404?page=5

この上の図での計算では、費用で111万を足すと二重計上になってしまっています。なぜなら、導入効果は収入欄で織り込み済みだからです。

本来の計算は、売電収入426万円+(設置前の光熱費281万円ー設置後の電気料金111万円)-初期費用600万円=ー4万円です。

そうしたらやはり他からも指摘があったようで、最後のページで捕捉説明が入っていました。

https://diamond.jp/articles/-/180404?page=7

しかし、そのロジックを言うなら費用のところで導入前の光熱費を引かないといけない。

つまり、

売電収入426万円ー(初期費用600万円ー設置前の光熱費281万円+設置後の電気料金111万円)-=ー4万円という計算になるはずです。

それにFIT終了後の計算も不足があります。たとえばパターン2で買取価格6円の場合は、収入473万円+(設置前562万円ー設置後222万円)-初期費用600万円=213万円となり黒字なのですが、この計算にはパワコンの修理交換が入っていない。

パワコンのメーカー保証は10年が一般的で、15年前後で交換する前提になっており、仮にパワコン2台で1台20万円なら40万円の交換代がかかるから、173万円の黒字という計算になります。

こんな基本的なことを想定できないのは、太陽光を知らないからなのでしょう。

FPの計算も間違えているし、補足説明もロジックがおかしいし、経済週刊誌の大御所の編集部もチェックできなかったのだろうか・・・。

しかしきっとチェックしても気づかないし訂正もできなかったと思います。

なぜなら、おそらく最初から編集意図がFIT制度を批判するという前提で記事が書かれたからです。

先入観・固定観念が邪魔して、見ようとしないからほかの側面が見えなくなる。

確かに高い買取制度のために再エネ賦課金という形で一般家庭の負担を招いているのは事実であり、そこは制度上のゆがみだとは思います。

つまり一般家庭が発電事業者のためにお金を払ってくれていることになっているわけです。

しかし、「大ウソだった」などというのは明らかにミスリーディングでしょう。

実際、この記事を鵜呑みにした情報リテラシーの低い人が大勢釣れています。(記事下部のツイッター)

https://snjpn.net/archives/69477

伝統も影響力もある経済誌が、一面的な批判だけで終わる浅い記事を書くのは、バランス感覚がないなと感じてしまいます。

もっとも、釣り記事としてなら、私も釣れているわけで成功なのでしょうが。

それに、FITを批判するためにあえて極端な事例を持ち出している印象です。

仮にオール電化リフォームではなく、単に太陽光を導入しただけの余剰売電であれば、初期費用はもっと安くなり、売電金額も増えるので回収期間はもっと短くなるはずです。

また、出力抑制地域の場合、余剰売電の家庭が抑制が事業者よりも後になるので、10kw以上の事業者より抑制リスクが低減されるという安心感もある。

なのに「電気代の節約しかない」というのは何も言っていないに等しい。

それだけでなく、オール電化でもし床暖房を導入したのであれば快適性が得られただろうし、IHコンロを入れたのなら掃除やメンテが楽になる。そういう利便性も享受しており、お金だけではないはずです。

とまあ、いろいろ書いたものの、要するに太陽光はいまでも投資メリットはあるし、私も継続投資していきたいと思っています。

むろんボッタくり業者もいるので、複数業者から合い見積もりを取るのは大前提ですが、リフォームにお金をかけすぎなければ、発電設備の値段も下がっていますから、10年以内での投資回収は十分可能です。

この記事を読んで感じるのは、これまで書籍でも書いてきたことではありますが、メディアを作っているのはやはり普通のサラリーマンであり、読者よりも優秀だとか、知識も豊富だとは限らないということです。

そして、記者個人の興味関心や価値観に基づいて記事が作られることもある。

あるいは編集長や編集部の意向、社の方針などで、誘導的な情報になることもある。

お金の専門家と言われるFPですら計算を間違い、その言い訳も論理的でないことを言う。

だから読者自身が賢くなり、「あらゆる事象には複数の側面がある」ことを意識して情報を批判的・多面的に読まなけれならないな、と改めて思いました。

もう一つ。最後のページのFP氏の補足で「導入した場合としなかった場合の比較ではなく」とありますが、その比較をしないと回収できるかどうかわからないので、導入が良かったのか悪かったのかが検証できません。検証できない計算方法で検証しようとするとは。。

つまりこの言い訳は論理的に破綻しています。

なぜこのFP氏は恥の上塗りをしてまでミスの正当化をするのでしょうか。

それは、計算ミスを肯定すると、まさしく「10年で回収できる」ことを証明するわけで、この記事のメッセージを根底から否定することになるからです。

しかしこの記事を放置すると、自身の論理性のなさをネットに残し、評判を下げることになりかねないのに、そうまでしてこの1記事を守りたい理由があるんでしょうかね・・・。

自分の間違いを正当化しようとすると、どうしても矛盾が出てきます。論理的なほころびが出てきます。人間は誰だって間違えることはあるのに、それを認めることはそんなに難しいのでしょうか。

いっそのこと、「ゴメンね、計算間違ってて、10年くらいで回収できるのは本当でした。でもいろいろ問題・課題があるから、もっと議論が必要だよね」みたいな落としどころで修正したほうがよいのではないかと思ってしまいます。

・・・ということを書いたのですが、後日「お詫びと訂正」が記載されていました。

https://diamond.jp/articles/-/180404

26日まで掲載し、閉じるようです。

私は検索にかからないよう本記事のタイトルをあえて入れなかったので(批判的な記事はあまり拡散されたくないため)、私のブログの影響というわけではないと思いますが、かなり各方面から指摘や批判の声があがっていたようです。

出版企画の切り口

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