成功したければ一度は東京へ出るべき理由~午堂登紀雄の「フリーキャピタリスト入門」

■新刊プレゼントキャンペーンのお知らせ(応募締め切り 6月6日(火))

毎度おなじみ、新刊レビュー募集プレゼントのお知らせです。

2018/6/21日発売

私が「ダメ上司」だった33の理由』(日本実業出版社)

本メルマガでも連載してきた「私のリーダー失格記」が書籍として出版されます。

メルマガでは約10万字も書きましたが、書籍はそのうちの約8万字の掲載です。

コメント欄を盛り上げるため、アマゾンもしくは楽天ブックスでレビューをお書きいただける人に、本書を1冊、無料でプレゼントさせていただきます。(応募締め切り 6月6日)

といいますのも、やはりコメントがゼロだと見た人も判断材料が乏しく、なかなか買いづらいと思うからです。

応募方法は、下記の通りです。

1、件名は「ブックレビュー希望」とお書きいただだき、ご住所、お名前、電話番号、コメントのペンネームを godo@premium-i.jp 宛てにお送りください。

2、後日、出版社より上記ご住所に発送いたします。

3、到着後、なるべく1週間(5営業日)以内にアップをお願いします。レビュー内容は問いません。

4、コメント終わりましたら、アマゾンマーケットプレイスなどでお売りください。

という流れです。

常連の人も初めての人も、あるいは久しぶりの人も、ぜひお気軽にお申込みください。

皆さまのご協力をお待ちしております!

成功したければ一度は東京へ出るべき理由

まぐまぐ編集部からの依頼がありコラムを書きましたので、以下に全文をご紹介します。

テーマは「成功したければ東京へ行け」です。

これは単なる私の個人的な経験による持論に過ぎないのですが、私は「成功したければ一度は東京へ出るべきだ」と思っています。(もちろん大阪・福岡・名古屋・仙台・札幌などでもよいのですが、大都市圏を代表して以下「東京」に統一して表記します)

(そして田舎とは、私の故郷のように、電車もコンビニも何もない過疎の町のことです。)

その大きな理由は、東京の持つ「多様性」が、自分の才能や可能性に気づくきっかけになるからです。

東京は私を含めて田舎者の集まりであり、さらには外国人も多く、雑多な都市であるがゆえにいろんな価値観を持った人がいます。そして、変わった人や一流の人に遭えるチャンスも多い。

すると、「そんな考え方もあるんだ」「そんな生き方もあるんだ」「そんな稼ぎ方もあるんだ」と、自分とは異なる世界を知ることができます。

それは自分の発想の幅、生き方の幅を広げてくれます。

・田舎の価値観のままでは進化しない

一方、ずっと田舎にいるままだと、付き合う人も同じ、ご近所さんも同じで、多種多様な人種に触れる機会がない。

また、地元には地元の価値観や生活習慣が根付いており、基本的にそこから外れることは許されないでしょう。

すると、ほかの生き方があるなんて想像できないから、テレビやネットで情報を知れるとはいえ、自分とは無関係、違う世界の人々だとスルーしてしまう。

それに田舎では、「自分よりも圧倒的に優れた人」に出会う機会がめったいにないので、成功に必要な努力量もわからないし、どういう努力が必要かもわからない。

メディア情報では結果しかわからず、その土台となっている地道な取り組みが見えない。

つまりずっと田舎にいると、田舎の価値観のまま、進歩しない可能性があるわけです。

地方出身者で、東京から田舎の実家に帰省すると「時間がゆったり流れている」という印象を受ける人は少なくないと思います。

それはおそらく、電車という交通機関の有無が大きく影響していると私は考えています。通勤通学・商談や訪問・買い物やレジャーなど、ほとんどの人は移動には電車が必要なので、電車の時間に敏感になります。

その電車の運航時刻が正確だからこそ、人々の生活スタイルも時間に正確になる。そしてそれは「より効率的に」という動機につながりやすい。

反面、田舎は車が主な移動手段です。ただし車での移動だと正確な時間が読めないから、比較的アバウトに余裕を持って出かけます。あるいは「渋滞にはまった」という遅刻の言い訳も、多少は許容される場面もあるでしょう。

だから同じ時間での生産性は、東京で揉まれたほうが高まるというのが私の仮説です。

・膨大な職業機会

また、企業はマーケットの大きな東京に集まりますから、当然ながら求人も東京に偏ります。そしてそこには膨大な種類の職業が存在する。

ということは、仮に今の職業が自分に合わないと思っても、転職などで自分の才能や特技を活かせる機会、あるいは発掘する機会に恵まれやすいと言えます。

翻って田舎には、自分の才能を活かせる場はあるでしょうか。活躍できる職業はあるでしょうか。求人も少なく職種も少ないとすれば、その限られた中から選択せざるを得ず、自分には合わないと思いつつ我慢して働かなければならないかもしれません。

私自身、高校卒業と同時に地元を離れ東京に来たおかげで「米国公認会計士」という資格の存在を知りました(当時はインターネットの黎明期で、ネット情報はほとんどありませんでした)。知らなければ目指すこともできなかったでしょう。

私の地元は町内にコンビニが1件もないほどの過疎集落でしたから(今は1件あります)、コンビニ本部への就職なども思いつかなかったかもしれません。

その後転職した外資戦略系コンサルティングファームも東京にしかないファームでした。このような高度に知的な職業に就くことができたのも、東京にいたからです。

また、出版社も所在はほとんどが東京です。もし地方にいれば、今のように気軽に編集者に会うことはできなかったでしょうし、著者の出版記念パーティーに参加して新しい編集者との出会いを探すというのも困難だったと思います。

つまり私の「ビジネス書作家」という仕事も、東京にいたからこそ成り立っている側面があります。

さらに、書店の蔵書の多さも挙げられます。

東京には大型書店がたくさんあり、田舎では目にすることのない本に巡り合える機会に恵まれています。

田舎の零細書店では、どうしてもベストセラー本やロングセラー本に限られてしまいますから、自分とは異なる世界を知ることはなかなか難しい。

アマゾンなどネット書店でも買えるとはいえ、それは書名や著者名を知っていればのこと。

今まで興味もなかったけど自分の感性にヒットするような本を選べるのは、やはりリアル書店です。

私自身、起業のきっかけとなったのはある本との出会いであり、それはふと書店で手に取った本でした。

かように、東京はチャンスの宝庫なのです。

・どこでも稼げる東京組

もちろん、地方で活躍している起業家や経営者もいます。私の知人友人にも、徳島で創業して上場した人、地元岡山で起業している同級生も何人かいます。

ただし彼らの多くは、出張で頻繁に東京へやってきます。企業規模が大きくなればやはり東京の会社との取引が増え、それが新たな刺激となって彼らを成長させているのではないでしょうか。

実際、田舎で成功している人と話すと、どことなく「東京人」っぽい価値観やものの考え方をしていると感じます。

また、私の知人で飲食店を展開している経営者がいるのですが、10年ほど前に東京1号店を出してそこが売れてから、大阪本社をたたんで東京に本社を移した人がいます。

彼曰く「人の入りが圧倒的に違う」そうです。確かに市場規模だけを見ても、パイの小さな場所よりも魅力なのでしょう。

あるいは、地方で起業する人の中には東京からの移住組も少なくないのは、やはり東京で稼ぎ方やテクノロジーの活用方法をマスターしたからこそ、場所がどこであろうと活躍できているのではないか。

なぜなら東京には、本当に様々なビジネスモデルの企業がたくさんあり、「そうか、そういう仕掛けをすればいいんだ」「そういうアプローチの仕方があったのか」というアイデアを直接目にすることができるからです。

確かにネットのない時代には、物理的な環境の差は今よりも大きかったでしょうし、今はネットがあるから情報格差はないはずだという意見もあると思います。

しかしやはり、「百聞は一見に如かず」ではありませんが、リアルに目の前に存在し、直接触れられるという違いは非常に大きい。

それに前述のとおり、知らなければ検索窓に打ち込むキーワードすら思い浮かばないわけですから。

・「東京に行きたくない」の深層心理

しかし、もしかしたら自分の子が「東京なんて行きたくない」という場合もあるかもしれません。

その場合、理由は何なのか。

もしかしたら、多様な刺激やストレスにもまれることを避けているのか。今の環境を捨てて新しい挑戦をすることを避けているのか。家を出てひとり暮らしという面倒くささから逃げているのか。知らない土地、知っている人が誰もいないところに行くのが不安なのか。地元の方が気心が知れた同級生がいて気楽なのか。親元にいたほうがお金もかからず家事も不要で安心なのか。

もしそうなら、成功はおぼつかないのではないでしょうか。

もちろん、何をもって成功というかは人によって定義が異なり、本人にとっては地元で暮らすことが成功なのかもしれません。

だから仮にそうだとしても、そういう考えを否定するわけではありません。

しかし、「マイルドヤンキー」(地元に根ざし、同年代の友人や家族との仲間意識を基盤とした生活をベースとする若者。博報堂ブランドデザイン若者研究所でマーケティングアナリストの原田曜平が提唱している。現代の一般的な若者の志向とされる都市部集中、車離れ、晩婚化、少子化とは異なる経済活動や行動様式を持つと定義され、仲間と同乗して車を使い、地元企業に勤めて週末は幼なじみとショッピングモールに出かけるなど、行動エリアが半径5キロメートル以内で完結するという。:以上、コトバンクより引用)という言葉がメディアを踊っていたこともありますが、ずっと地元から出ない人は収入面でも低いとされています。

ただしこれも、都会でストレスを抱えるくらいなら収入が低くてもいいという人もいると思いますので、それはそれで本人にとっては大切なことなのでしょう。

生活の条件の優先順位は人によって異なりますから。(今の私も、新宿・渋谷・池袋の人の多さにはうんざりで、あまり近寄らないようにしています)

あるいは親の方が「仕送り負担が大変だから地元の大学へ行ってくれ」という家庭もあるかもしれません。

それでも、子の可能性を広げるために、学生時代だけでもいいので東京で暮らす。あるいは社会人の数年間を東京で働くことをお勧めしています。

これは田舎や地方がダメということではなく、成功するためには発想の幅、ひいては人間としての幅を広げる必要があり、それには多様性という環境の中に身を置くことが近道だ、ということです。

・地元を出ることは自立の一つ

国土が広大なアメリカでは、移動することは「何かを成し遂げようとする意志の現れ」だとされています。

そして実際、移動距離と収入には相関関係があり、移動距離が長い人は収入も高いそうです(ネット起業家やオンライントレーダーは別ですが)。

確かに、土地の広さ、転職市場の分厚さ、学校区による学力格差が大きいなど、移動する理由が多いという日本との違いはあるものの、意志が「移動」という動機になるのは日本でも同じではないでしょうか。

実際、私の周りの成功者でも地方出身者は少なくありません。特別に「一旗揚げよう」などという思惑はなかったとしても、向上心や好奇心は人より勝っていると感じます。

親元から離れ、自分の生活は自分で成り立たせる経済的自立、親や地元の価値観から離れて自分の生き方を自分で選ぶ精神的自立。

これは、成功への土台となる「人間としての成熟」の一要素であると私は考えています。

だから私も、自分の子が高校を卒業したら家から放り出すつもりですし、早くからそう吹き込もうと思っています。

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