「やってくる大増税時代に備えるための“投資の教科書”」~投資の疑問に答えるQ&A集(2)~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol.116

こんばんは。俣野成敏(またのなるとし)です。

過去、2度に渡って延期されている消費税の増税。2019年10月からの引き上げを前に、最近にわかに議論が活発になってきています。10%への引き上げが現実味を帯びる中、同時に実施される軽減税率制度の線引きに関するQ&A集が、国税庁によって改訂されました。軽減税率とは、低所得者へ配慮する観点から、酒類・外食を除く飲食料品と定期購読が締結された週2回以上発行される新聞を対象に、税率を8%に据え置く、という制度です。

消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)

さらに、消費税増税対策として、東京五輪開幕までの約9ヶ月間、キャッシュレス決済時に5%のポイントを還元する、という案も浮上しています。「これでは増税どころか、減税の大盤振る舞いだ」とか「五輪終了後に予想される五輪不況が、さらに深刻なものになるのではないか」といった声も相次いでいます。しかし、これらを行う理由はただ一つ。これまで以上に、税金を多く取りたいからに他なりません。

★俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

【Vol.116『投資についてのQ&A(2)』目次】

〔1〕本文:「やってくる大増税時代に備えるための“投資の教科書”」〜投資の疑問に答えるQ&A集(2)〜

1、“老後の安心感”に関するQ&A編

 ◎確定拠出年金は、預金型であればお得か?

 ◎投資で収益を得た安心感で、ビジネスに邁進できるか?

2、海外不動産投資に関するQ&A編

 ◎海外の不動産物件でAirbnbを行えば、日本よりも儲かるか?

 ◎海外不動産投資の節税スキームを活用して利益を上げられるか?

〔2〕次回予告(予定):「万年平社員がわずか数年で年商5億円企業の社長になれたワケ」〜現場で生まれたマネジメント格言集(4)〜

〔3〕編集後記:単なる「公私混同」か?それとも社内政治の「犠牲者」か?

〔4〕今後の特集スケジュール:2018年12月〜2019年1月予定

◆〔1〕本文:

「やってくる大増税時代に備えるための“投資の教科書”」〜投資の疑問に答えるQ&A集(2)〜

軽減税率制度の導入によって、現場を中心にかなりの混乱も予想されますが、この税制自体は先進国を始め、割と多くの国で行われています。とは言え、その実施の真の目的は「税収を増やす」ことにあるわけですから、今後も消費税率は上昇し続ける可能性があります。それ以外にも、たとえば2019年の公的年金にはマクロ経済スライドが発動され、支給額は抑えられる方向で検討が進んでいます。

このように予想される大増税の嵐と、削減の一途をたどる社会福祉費。これらの動きに対抗するためには、自己防衛が欠かせません。その方法の1つが投資です。

そこで今回は、投資に関するQ&A集の続編をお送りします。本特集は、当メルマガに寄せられた質問や、私が金融の専門家と共同運営している一般社団法人日本IFP協会公認マネースクールに挙げられた質疑応答などをピックアップしたものです。ぜひ、投資を行う際の参考にしていただければと思います。

■1、“老後の安心感”に関するQ&A編

まず始めに、当メルマガの読者からいただいた質問にお答えしたいと思います。質問は、確定拠出年金についてです。ここ数年、多くの企業で年金制度を確定拠出年金に移行させているところが増えており、それだけ世間からの注目度も高くなっています。

厚生労働省は、60歳以降も働く人が増加している状況に合わせるために、現状60歳までとなっている確定拠出年金の掛け金を、65歳まで延長するよう、すでに検討を始めています。

【確定拠出年金は、預金型であればお得か?】

Q1、「Vol.19の『確定拠出年金特集』の記事を拝見。そこに『個人は確定拠出年金を利用しないほうがいい』とあったが、投資型ではなく預金型のほうであればどうか?」

A、確定拠出年金とは、自分で掛け金を運用する年金のことです。運用成績によって受取額が変わり、運用商品には投資信託などの投資型や、保険・定期預金といった預金型などがあります。確定拠出年金の詳しいことについては、Vol.19をお読みいただければと思いますが、利用する代表的なメリットとしては、「節税できる」こと、デメリットとして「長期間に渡って資金が動かせなくなる」ことなどが挙げられます。

さて。この「節税できる」というメリットですが、実際はその人の年収によって違いが出ます。年収が高い人は、それだけ多額の税金を納めていますから、その分、節税メリットも大きくなります。反対に、もともと納めている金額が少ない人は、それだけメリットも少なくなります。つまり、一概に「節税=お得」とは言えません。

先に答えを述べますと、投資型よりも預金型のほうが、運用益を出すのは難しくなります。その理由は2つあり、1つは確定拠出年金に加入すると、手数料を取られることです。投資型もリターンを出すのは難しいとは言え、それでも運用がうまくいけば、増える可能性はあります。ところが預金型の場合は、元本保証を謳う代わりに、金利が決まっています。手数料のほうが高く付けば、元本割れを起こすことがあります。

続いて2つ目の理由に、物価上昇率が預金型の金利を上回る可能性が高いことが挙げられます。現在、日銀が物価を上昇させるために、異次元緩和政策を継続していることは、ご存じの通りです。現在、定期預金の金利にしろ、保険の利率にしろ、どちらも雀の涙ほどしかありません。「元本保証」「安全」という言葉に釣られてこうした商品を選んでしまうと、結局は自分の資産を目減りさせることになりかねません。

現在の普通預金の金利に至っては、ほとんどゼロに近い状態ですが、それでもまだ「いつでも引き出して使うことができる」というメリットがあります。それに比べると、確定拠出年金は、原則的に60歳になるまで引き出すことができません。たとえ途中で商品を解約したとしても、お金を引き出すことはできず、そこから手数料を取られ続けます。裏技で、確定拠出年金を解約する方法なども一切ありませんから、注意が必要です。

これがたとえば今後、何かの大きな変動をきっかけに、物価上昇が起こり、預金金利も上がるような事態になれば、確定拠出年金の利回りも上がります。しかしその時は、それ以外の金融商品の利回りはもっと上がっているはずです。いずれにしましても、確定拠出年金で預金型を選択することにあまりメリットはない、ということをご認識いただきたいと思います。

大事なのは、まずは「節税だからいいに違いない」という思い込みを捨てることです。販売する側にとっては、この言葉が儲けのタネになっていることに、利用者はもっと注意を払うべきでしょう。投資商品を比較する時は、「お得そうな商品が、本当にお得なのかどうか?」を、冷静に計算してみることをオススメいたします。

【投資で収益を得た安心感で、ビジネスに邁進できるか?】

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