レジ袋の追放は「アホ」~ 武田邦彦集中講座『分別は役に立っているのか?(6)』



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◆家庭で有効活用できる「レジ袋」を削減する必要はあるのか?

分別やリサイクルは、それが科学的にも合理性がなく、道徳的、倫理的にも最低なシステムですから、それに伴って周辺にも悪影響を及ぼしています。つまり、「不道徳なことをすると、それが周辺に影響を及ぼす」という原理を示しておきたいと思います。

1) レジ袋の追放運動

およそ多くある環境運動の中でも、表現は悪いのですが「アホ」の部類に入るものの一つが「レジ袋の追放」です。これほど科学を無視し、現実から遠ざかった事をすると、その影響は単に環境を汚すばかりではなく、科学の発展を阻害し、子供たちにも悪い影響があるでしょう。

レジ袋は石油から作る「ポリエチレン」というものでできています。石油というのは動物の死骸が腐敗したものですから、決して「人間の生活に都合の良いように作られたもの」ではありません。人間が欲しいと思う材料(たとえばエコバッグの材料になるポリエステル)と比べてポリエチレンは大量にできてしまいます。だから、ポリエチレンでできたレジ袋をできるだけ使うようにして、ポリエステルを節約することが環境的には大切です。

かなり前のことですが、著者の説明を聞いたある主婦が、「一頭の牛から霜降りはあまり取れないけれど、細切れは取れるようなものね」と言いましたが、まさにその通りです。

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