「ブロックチェーン旋風がお金の世界を変える時」(下)~仮想通貨によってもたらされる金融業界の未来とは?~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol. 114

こんばんは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 海外と日本を比較してみると、お互いの未来が見えることがあります。たとえば、現在の東南アジアは経済成長が著しく、多くの地域が建設ラッシュに沸いています。今の日本人から見れば、元気と活気があって、少々羨ましい気もしますが、それはかつて日本がたどってきた道です。つまり、東南アジアからすれば、今の日本は数十年後の自分たちの未来だ、と言うことができます。

 逆に、金融立国のシンガポールを見てみると、当地ではすでに地下鉄が自動化されており、主にAIが電車を運行しています。もちろん、この技術はまだ発展途上ですから完璧ではありません。現地に居住している知り合いの話によると、AIはリスクを取らないため、何かイレギュラーなことがあると、すぐに電車は停められるそうです。とはいえ、性能はドンドン向上している、と言います。

 今は世界中で自動運転の技術開発競争が加熱しており、やがてバスもタクシーも自動運転化されるでしょう。その近未来の姿の一端を、シンガポールで垣間見ることができる、というわけです。

★俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

【Vol.114『ブロックチェーン(下)』目次】

〔1〕本文:「ブロックチェーン旋風がお金の世界を変える時」(下)〜仮想通貨によってもたらされる金融業界の未来とは?〜

1、為替の専門家からは、仮想通貨はどのように見えているか

 ◎「需要と価格が一致するとは限らない」

 ◎現代は、実体経済とバーチャル経済との差が大きくなっている

2、仮想通貨が“お金”として定着するタイミング

 ◎金融商品の要となる“フレームワーク”

 ◎仮想通貨に資金が流れるようになるのはいつか?

〔2〕次回予告(予定):「ダメダメ社員が社長になるに至った道筋とは?」〜現場で生まれたマネジメント格言集(3)〜

〔3〕編集後記:「豪華チャンピオンベルト7本が一堂に会する」マネースクールって?!

〔4〕今後の特集スケジュール:2018年11月〜12月予定

◆〔1〕本文:

「ブロックチェーン旋風がお金の世界を変える時」(下)〜仮想通貨によってもたらされる金融業界の未来とは?〜

さて。本日は「激動の金融業界」特集の後編をお送りします。前回は、ブロックチェーンを中心にお話し、それがもたらす可能性や未来像などについて考えてきました。後編の今回は、金融業界が置かれている現状や、最新の仮想通貨事情についてお伺いしていきたいと思います。

今回も、スペシャルゲストをお呼びしております。シンガポールにてOMAECAPITAL MANAGEMENT PTE LTDのCEOを務め、一般社団法人日本IFP協会で為替の専門家・アドバイザーとしてご活躍の大前雅夫(おおまえまさお)さんです。(以下、本文中について、名前が出てこない限り同一話者、敬称略)。

※一般社団法人日本IFP協会…正しい金融知識を世の中に広めることを目的に、世界中の金融商品を比較・研究している団体。

■1、為替の専門家からは、仮想通貨はどのように見えているか

本日のゲスト・大前さんは、アメリカの大学を卒業後、香港上海銀行東京支店やHSBC香港本店に勤務。その後モルガン・スタンレー社、バークレーズ銀行などを経て、2009年に独立。2014年から仮想通貨取引を始め、2017年からは電子資産管理会社BLOCK TREE LABにファウンディングメンバーとして参加。世界初の仮想通貨インデックスBlockchain Innovation Index(BIX)の開発、運営に携わりました。まさに金融の第一線で活躍してこられた方です。

これだけの金融のスペシャリストが、普段、考えていることとは何なのか?早速、お話をお聞きすることにしましょう。

【「需要と価格が一致するとは限らない」】

俣野:それでは大前さん、よろしくお願いします。大前さんのご経歴を拝見しますと、現在のご専門は仮想通貨、ということでしょうか?

大前:私は長年、為替取引を専門に扱ってきた人間です。なぜ、その私が仮想通貨インデックスに関わるようになったのかと言うと、それは仮想通貨にも、為替の要素が含まれているからに他なりません。仮想通貨はお金ですから。

そもそも、仮想通貨を支えるブロックチェーンという技術が、金融の根幹である“お金”から始まった、というのは、偶然ではありません。新しい技術をビジネスとして成り立たせるには、もっとも成果が出やすい業界で発展していくのが一般的です。理屈で言うなら、一番お金を稼いでいる業界が、その技術に一番お金を費やしてくれる、ということになります。仮想通貨にとっては、それが金融業界だったわけです。

俣野:専門家の目から見て、やはり仮想通貨は将来性がある、と映っているのでしょうか?

大前:今、仮想通貨は数多の星のごとくに現れては消えている状態です。現状、これだけの種類のコインが生まれているということは、それだけ多くの人が「仮想通貨には将来性がある」と考えている1つの証拠だとは思います。結局、マネーとは人気のあるところに流れていくものです。中でも、ビットコインがそのベンチマーク的存在になっている、となれば、「だったらビットコインから始めてみようか」と人々が考えるのは、ごく自然な流れです。

金融業というのは、とどのつまりは「お金を集めてフィーをもらう」という商売です。仮に“ビットコイン”と謳うだけで企画が通りやすくなるのなら、もちろん、金融商品を売る側も「ビットコイン」「フィンテック」「ブロックチェーン」といったキーワードを散りばめて、ファンドレイズ(資金調達)しようとします。要は、売る側も買う側も、今は仮想通貨への期待感から、「何とかこの動きにあやかりたい」という状態になっているわけです。

現在(2018年11月6日現在)、仮想通貨の相場はいまだに2017年12月の水準に戻ってはいませんが、私はそれに対して、特に悲観はしていません。仮想通貨の技術が世の中を良くするものであることは、疑いの余地がないからです。

それでは、「価格はどこまで上がっていくのか?」ということに関して言うと、仮想通貨やブロックチェーン技術に対する需要が上がったからといって、必ずしも市場で順当に価格が上がっていくとは限りません。実は、市場価格は「投機的にどのようにお金が入ってくるのか?」ということと大いに関係があります。

これは世の中を見渡してみればわかります。たとえば原油がそうです。かつて1970年代にオイルショックがあり、「石油がなくなるのではないか」というので、人々はパニックに陥りました。その後も世界経済は成長を続け、多くの国で生活水準が向上するとともに、石油への需要も増えました。しかし価格は一時期、1バレル100米ドルを超えたことがあるものの、現在では70米ドル前後で推移しています。つまり、需要と価格がリンクしているとは言えません。

それでは、何が価格を上げた要因だったのかというと、投機マネーです。「なくなるかもしれないから、先に買っておこう」という投資家の心理が、値段を押し上げたのです。最近だと、サブプライムローン問題が表面化した際にも、原油価格は大きく上昇しましたが、サブプライム問題と原油自体には、相関関係はありません。投機マネーがどこからどこへ流れたのか?ということです。こうした心理的な要素や社会情勢なども、価格に大きな影響を与えているのです。

【現代は、実体経済とバーチャル経済との差が大きくなっている】

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