クールビズ、タバコなどの規制がゆるみ自由で明るい社会へ 武田邦彦集中講座『変わりそうな日本社会(3)』

Shutterstock/astarot

◆人間の心の奥底に潜む「他人を痛めつけたい」という感情

人間の心の中には、理屈では説明できないほど、「他人を痛めつけたい」という気持ちがあるものです。歴史的にはそれが異常な形になって表れることが多いのですが、現代でもかなり多く見られます。

その典型的なものが、1)分別・リサイクル、2)クールビズ、それに3)タバコの追放、でしょう。それぞれ環境や健康に何の影響もないのに、単に他人に負担をかけたり、好きなものを止めさせる快感を味わっている現象と思います。

まず、「分別・リサイクル」ですが、人間が使うもので「繰り返し使った方が環境に良い」というものがあります。くず鉄、アルミ、紙のうち5分の1ぐらいのもの、それにまだ使える家電製品などです。それ以外のものは「回収してリサイクルする方が資源を余計に使う」ので、かえって環境を汚します。

この理屈はきわめて簡単で、「東京湾はいつも油が浮いている」というのと、「その油を回収して使えば資源のムダ使いを無くすことができる」というのは違うからです。東京湾の海水の上に浮いている油は極めて少ないので、回収に使う船の燃料の方が何万倍も多いからです。つまり、1リットルの燃料油を使って1ccの汚い油を回収することに意味が無いことは誰の目で見ても明らかです。

記事の新規購入は2023/03をもって終了しました