他人をバカにすることで生きる男たち――⑭デキる男の裏技とは?

【他人をバカにすることで生きる男たち――⑭デキる男の裏技とは?】

前回はSOCのリソースである「他人力」について、男社会を生き抜く「女性」主軸でお話しましたが、今回は男社会を生き抜く「男性」のお話です。

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ある上級マネジャーは「経営委員会のメンバーからはずれて欲しい」と、突然言い渡されました。

ある社内トップ売り上げを誇る部門のリーダーは、「あなたは積極性に欠けている」との理由でラインを外されました。

ある営業部門を担当する経営幹部は、「ファシリテーターにみたいに振る舞うのは辞めて、自分の意見を主張しろ」と、同僚から厳しく批判されました。

この3人は共通して、志が高く、能力が高い同期一の出世頭で、上司から一目置かれる、

“デキる人”でした。

そして、もうひとつの共通点が………、女性だったのです―――――。

実はこれ、数年前に米国で話題になった「Woman, Find Your Voice」というエッセーの冒頭のフレーズです。

働く人たちに大規模な調査を行い、体系的に分析したこのエッセーは女性だけでなく男性からも共感を得ました。

Womanとタイトルについていると、「また、男を責めるのか~いっ!」と眉を潜めている男性もいるかもしれませんが、全く逆。

デキる女たちの苦悩を徹底的に調べたことで、“デキる男”だけがしている「ある行動」を明らかにした、とても示唆に満ちた内容のエッセーなのです。



調査を行ったのは、女性リーダー育成に特化したコンサルティング会社のパートナーたち。

彼らはかねてから、「会議が苦手」という意見を多くの女性から聞いていたため、その原因を突き止めようと調査に乗り出しました。

まず、最初に行ったのは女性マネジャー1100人の360度評価です。

“女性リーダー”の上司や同僚、部下の男女7000名に、「女性マネジャーの会議での言動」を評価してもらったのです。

その結果、男性だけでなく女性も含めたほとんどの人たちが、経営会議という場が女性マネジャーに鬼門だと認識していることがわかりました。



具体的には、

・会議になるとおどおどする

・会議で発言しても、説得力に欠ける

・意見の裏付けが不十分

・発言をすぐに遮られる

・批判されるとすぐに謝る

・熱くなりすぎる

・何を言ってるかわからなくなる

・すぐに混乱する



といった女性マネジャーを酷評する意見が続々と集まり、特に男性からは、

「反論されると、自己弁護に走る」

「その場の関心が自分からの逸れると、動揺したり、何も言えなくなる」

と苛立った意見が、多く聞かれました。



なぜ、自他ともに認める「有能でパワフル」な女性マネジャーたちが、経営会議という「自分の存在価値」を示す大切な場で、“使えないマネジャー”に成り下がってしまうのか?

もちろん社内の選りすぐりのエリートが集まる場ですから、弁が立つ人、威圧的な人、論理的説明に長けている人など強者ぞろいで、そこで意見するのはビビるかもしれません。

でも、なぜ女性“だけ”なのでしょう?

その謎を探るべく、研究チームはさらなる調査を実施。

ただ、その際に彼らは、

「ひょっとしたら女性以外にも『会議』になった途端、パフォーマンスが発揮できない人がいるのではないか?」

と考え、会議でのパフォーマンスを評価されている男性マネジャーたちの行動を分析したのです。

すると、多くの男性マネジャーがやっていて、女性マネジャーがやっていない

「ある行動」がみつかりました。

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