「情報化社会でとびきりの情報を手に入れる!」
~情報収集とその活用術《基礎編》~
こんばんは。俣野成敏です。
2014年2月、ビットコインの大手取引所だったマウントゴックスが「ハッカー攻撃に遭った」として、経営破綻しました。当時、紛失したとされていたのが顧客の75万BTC(発表によれば約114億円)と、コイン購入用の預かり金の約28億円でした。
その後、30歳のフランス人社長による自作自演だった、という逮捕劇や、「新たな真犯人が見つかった」という報道、「その後のビットコインの値上がりで、負債金を全額返せる見込みが立った」など、たびたび世を騒がせてきました。それだけ、世間に大きなインパクトを与え、注目されてきた事件だ、ということができるでしょう。
さて、マウントゴックス事件が起こった翌月、ある記者クラブでビットコインについての勉強会が開かれました。当時、さかんに報道されるようなっていた仮想通貨について、会場では著名な新聞社の記者から「28億円も預金を盗むなんて、一体どうやって?」と質問が出て、逆に講師から「それを明らかにし、国民に伝えるのがマスコミの役割では?」とたしなめられる場面も見られました。
講師は「私もそういう情報を得ることには関しては、新聞を通してしか知る術はない」と答えました。つまり事件の情報は、新聞記者と同じか、記者のほうが多く持っていたにもかかわらず、理解度は講師のほうが高かったワケです。一見、当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これは「同じ情報に接していても、受け手によって受け取れる情報量には違いがある」ということの、典型的な例だと言えるのではないでしょうか。
【Vol.76『情報収集術《基礎編》』目次】
〔1〕イントロ:「情報ソースが揺れている!」今、私たちは何を信じればいいのか?
〔2〕本文:「情報化社会でとびきりの情報を手に入れる!」〜情報収集とその活用術《基礎編》〜
1、「なぜ、自分は良い情報を得られないのか?」の原因を探る
◎「グーグルの情報は客観的」という勘違い
◎情報収集能力を向上させるための2つのポイント
2、とびきりの情報とは「人を介してしかやってこない」
◎事例1:一流の人に直接、教えを請う方法
◎事例2:現地の人から直接、生情報を仕入れる方法
3、自分の力をどこに投入すれば、最大リターンを得られるのか?
★本日のワンポイントアドバイス☆★
☆今週の宿題★☆
自分に必要な情報を見極めよう
〔3〕次回予告(予定):「とびきりの情報を手に入れて仕事に活かす!」〜情報収集とその活用術《応用編》〜
〔4〕ニュースのビジネス的着眼点: 再び増税!日本政府が、今度は庶民を対象に出国税を検討
〔5〕編集後記: 「投資のコミュニティですが、こんなこともやっています」
〔6〕今後の特集スケジュール: 2017年11月〜12月予定
◆〔1〕イントロ:
「情報ソースが揺れている!」今、私たちは何を信じればいいのか?
普段から情報の最先端に触れているはずのマスコミの方からして、このような事態が起こるのはなぜでしょうか?思うに「参照元を浅く・広く」求めていることの弊害が出てしまっているのかもしれません。特に仮想通貨の場合は、これまでの通貨とはまったく異なる仕組みを持っているため、既存の概念を持ち込むと、いつまで経ってもその本質をつかむことはできないでしょう。
ビットコインのような、まったく新しい技術だけに限らず、今はあらゆるところで情報が錯綜しています。インターネットは便利な反面、その匿名性のゆえに、無責任な情報もあふれているのが実情です。ユーザーは、なるべく信用のおけそうな情報ソースを求めて、右往左往しているような状態です。そうした状況に応じて、新たに登場したサービスがキュレーションサイトでした。
キュレーションサイトとは、インターネットの情報をある程度精査し、収集・まとめたサイトのことです。ユーザーはあれこれキーワード検索を試さなくても済むので、たちまちこのサービスは受け入れられるようになりました。しかし、ここで起きたのが、各種インターネットサービスを提供している大手DeNA(ディー・エヌ・エー)による、不正コンテンツ問題でした。
東証一部上場企業DeNAによる、著作権を無視した医療情報サイトの運営問題は、世間で大きくクローズアップされました。大企業でありながら、ユーザーを無視した売り上げ至上主義に走り、上の人間もそれを黙認したことによって、他サイトから切り貼りしただけのような無責任な記事が氾濫しました。専門知識のない者に内部マニュアルを渡し、中には盗作を助長するような内容もあったということです。
今、かつて私たちが信用してきた情報元が揺らいでいます。ひょっとすると、彼ら自身も「どれを信じたらいいのか?」「どうあるべきなのか?」を見失っているのかもしれません。一体どうしたら、私たちはこの状況から抜け出すことができるのでしょうか?