「2019年は激動の1年になる?!」(下)~今年1年の世界の動きを予想する~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol.123

こんばんは。俣野成敏(またのなるとし)です。

1989年に、日本で初めて消費税が導入された時の税率は3%でした。あれから30年が過ぎ、その間、税率は3%→5%→8%へと上がっています。初導入された直後には、ベルリンの壁崩壊やソビエト連邦の崩壊、日本でのバブル崩壊など、それまでの秩序が崩れ、世界的にも新たな体制の構築を迫られる時代の節目となりました。

2019年に入り、再び日本で消費税の増税が予定されています。過去、消費税の増税に関わった政権の多くが退陣を余儀なくされました。現在、安倍政権は戦後最長といわれる好景気を実現し、政権自体が記録的な長さとなっています。いよいよ税率10%の実現が近づく中で、当政権は命脈を保つことができるのでしょうか?

図解消費税の歴史

★俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編

【Vol.123『2019年予測(下)』目次】

〔1〕本文:「2019年は激動の1年になる?!」(下)〜今年1年の世界の動きを予想する〜

1、2019年は日本にとってどのような年になるのか

 ◎今年はアジアの均衡が崩れる?!

 ◎消費税の再延期はない?

2、問われる安倍政権の真価

 ◎海外投資家が日本の市場から逃げ出している?!

 ◎日銀の資金はなくならない?

〔2〕次回予告(予定):「何を副業にすればいいのかわからない人へ」〜アイデアをビジネスにつなげる方法〜

〔3〕編集後記:あちこちで生まれる“コロンブスの卵”?

〔4〕今後の特集スケジュール:2019年2月〜3月予定

◆〔1〕本文:

「2019年は激動の1年になる?!」(下)〜今年1年の世界の動きを予想する〜

さて。今回は、「2019年予測」の後編をお送りいたします。前回の特集では、2019年に予想されるアメリカ・中国・EU・投資環境などについてお話ししました。この特集では、今年日本で予定されている動きや、現在の金融事情などについて、見ていくことにしましょう。

本特集では、前回に引き続き、シンガポールにてOMAE CAPITAL MANAGEMENT PTE LTDのCEOを務め、為替の専門家・アドバイザーとしてご活躍の大前雅夫(おおまえまさお)さんからお話をお伺いしていきます。金融の専門家がどこに着目し、今の社会をどのように捉えているのか、ぜひ参考にしていただければと思います(以下、本文中について、名前が出てこない限り同一話者、敬称略)。

■1、2019年は日本にとってどのような年になるのか

最初は「日本を取り巻く環境について」です。現在、アジア経済が、世界を牽引する原動力の1つになっているのは、ご存じの通りです。繁栄と治安は密接に関わっていますが、今年はどこかで、一触即発の事態となるかもしれません。

【今年はアジアの均衡が崩れる?!】

俣野:それでは大前さん、今回もよろしくお願いいたします。まずは日本の2019年の動きについてお伺いできますでしょうか?

大前:今年の日本は、重要なイベントが目白押しです。特に安倍政権にとって、この1年は正念場になるのではないでしょうか。ダークホース的なところで言うと、今年の5月に行われる年号の変更があります。実は、私が就職した年というのが、幻と言われる昭和64年(1989年)でした。

俣野:昭和天皇がお亡くなりになられて(崩御あらせられて)、平成元年に切り替わった年ですよね。

大前:はい。年号が変わると、意外に世の中の空気がガラッと変わります。当時は私も、ぼんやりと感じていただけですが。30年前は、年号が変わった直後に、ソビエト連邦の崩壊や、東西ドイツ統合と続き、冷戦が終結しました。そしてそれを境に、世界にとって、日本はそれほど重要な国ではなくなりました。まさに“失われた30年”の始まりが、年号の改正だったわけです。

俣野:また同じことが、このアジアで起ころうとしている、と?

大前:これまで私は香港や中国に駐在したり、現在もシンガポールに住んでかれこれ7年になりますので、アジアでの大きな変化は、実際に肌で体感してきました。その経験から今、日本を取り巻く環境は緊迫度を増しているように感じています。今年は、アジアのパワーバランスが大きく変わる年になるかもしれません。

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