クリスマスイブの思い出(結城浩「日常のひとこま」)

こんにちは、結城浩です。

12月24日は「クリスマスイブ」ですね。

クリスマスイブの思い出というと、幼稚園か小学一年生くらいのときを思い出します。

その頃の私は、サンタさんをまだおぼろげながら信じていたでしょうかね。

クリスマスイブの夜、布団に入って、

 「今晩は、ずっと起きていて、サンタさんの正体を確かめよう!」

と固く決心しました。これ、もしかしたら多くの子供たちが一度は決心することかもしれませんね。

かなりがんばりましたが、途中でうとうとして、はっと気づいたら、もう外がすこしだけ明るくなっています。朝です。

 「しまった!」

と頭では思ったものの、まだ夢うつつ状態。必死になって頭を上に向けて、枕元にプレゼントがあるかどうかを探します。

 ある。

 何か黒いかたまりがあります。

(これは、ずっと欲しかったロボットでは?)と手を伸ばして、その黒いかたまりをつかみます。

 ぐにゃ。

その黒いかたまりは妙にやわらかいものでした。ロボットじゃありません。頭が「?」で一杯になったまま、子供時代の私は再び夢の世界に入っていきました。

朝になって改めて見てみると、その「黒いかたまり」というのは、母が手作りで作ってくれた「ぬいぐるみ」でした。よく覚えていないけれど、何かの動物だったはず。しかし、黒い動物って何だろう……クジラか何かでしょうかね。

ロボットじゃなくて残念だったけれど、ぬいぐるみはきらいではなかったし、それにサンタさんの正体も判明したので、それなりに満足でした。何しろ、母親お手製のぬいぐるみですからね。

母からのプレゼントはそのぬいぐるみで、父からのプレゼントは科学の学習漫画の本が二冊でした。

ぬいぐるみを抱っこしながら、学習漫画を繰り返し読みましたよ。

……それが、私の小さい頃のクリスマスの思い出です。

あなたには、どんな思い出がありますか。

結城メルマガVol.091より)