日本の夫婦の鉄則~武田邦彦集中講座『家族の科学(4)』

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◆人生の中でも特別な関係「夫婦」の、良い付き合い方とは

ここまで、有性生殖の原理と目的、社会の進歩と親子関係、そして男女の基本的な役割を整理してきました。兄弟はケンカしてよい、親子はケンカしてはいけない、男女の関係では男性は意味のない存在だ…というのが簡単な結論ですが、その中でもっとも難しいのが「夫婦」です。

当然のことですが、夫婦は血がつながっていないほうがよく、むしろ血ができるだけ遠いほうが良いということですから、生まれ育ちが違い、体が違い、考えが違い、なにからなにまで違う…むしろ「違うからこそ一緒になった」という意味で本当に珍しい人間関係なのです。

たとえば学校の友人はほぼ同じ年、そして多くは同性が友人になります。会社に入っても、個人的な付き合いも基本的には、「同年代、同性」であって、夫婦のような珍しい関係はありません。だから、他の人間関係とは別に夫婦だけは特別な付き合い方が必要となります。

一般的な夫婦の関係を論じる時の前提は、

1) 夫は目的を求め、妻は共感を求める。

2) 夫は黙り(7,000語)、妻はしゃべる(20,000語)

3) 夫は弱みを見せず、妻は弱みを共有する

と言われています。この3つはテレビなどでよくやりますから、聞いたことがある人が多いと思いますが、夫婦間の会話では夫が「それじゃ、こうしたらよいじゃないか」と提案し、妻が「ただ言っているだけよ」と応じて喧嘩になる、結婚前はあれほど引っ込み思案で無口に見えた妻が自分の3倍(2万対7千)も口撃してくる、夫が突っ張っているのに妻はすぐ折れる…なども日常的に経験することです。

それに加え、家庭生活が円満になるためには、男女の性的な特徴を理解しておく必要があります。

4) 愛妻弁当は6か月、浮気は3年目

5) 夫の性欲は誘導型

6) 夫は我が子を識別できない

男女の間ははかない、錯覚に満ちた、幻想的な「恋愛感情」で結ばれていますが、それは3つの大きな生物学的な特徴があります。その一つは「長く続かない」ということで、愛妻弁当は6か月、浮気は3年目というものです。もし仮に恋愛結婚して、恋愛期間が2年とすると結婚して幸福な期間はたった1年になります。「あんなに長く付き合っていたのに、もう別れたの!」ということがよくありますが、それは普遍的なことなのです。

また「男性の性欲は誘導型(自分からではなく、女性の誘導によって起きる)」ということも知っておく必要があります。女性の誘導は、

1) お化粧する

2) 後退する

の二つが知られています。お化粧は男性が性欲を失った200万年前、本能の力が情報量で10の11乗ビットなのに対して、脳が10の13乗ビットになった時に、脳が本能を抑制した結果、能動的な性欲を失ったとされています。

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