
【他人をバカにすることで生きる男たち――⑮「女らしくしろ!」と罵るオジさんの深層心理とは?】
(前号から続いています)
前回は「男たちの“裏技”見習うべし!」と少々鼻息の荒めのバリキャリ女性に釘をさしましたが、今回は「う~~む、やっぱダメじゃん~~」とみなさんも頭を抱えたくなる、男性役員のお話です。
「役員会議って、最後の“イス”を虎視眈々と狙ッてる人が集まる場じゃないですか~。結構、醜いっていうか、本性出ますよね~~」
こう話すのは久々登場「第2秘書室」の若手メンバーさゆりさんです。
彼女目撃した“事件”とは何だったのでしょうか?
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さゆり「うちの会社って合併、合併、またまた合併で生き残ってるので、役員会議が醜いんです。旧○系がいちばんエラくて、次に旧▲系が強い。ポジションも代々引き継がれていて、弱小の●△出身の人は、ぜ~ったいに上にいけないんですよね~。
私の上司は『ジジイどもがヨボヨボになって淘汰されないと、自分もいずれ飛ばされる』っていつも嘆いてます(笑)」
カワイ「いまだに、ですか? 最近はいい加減なくなったって聞いてますけど?」
さゆり「表向きはないですけど、実はあります。その掟をやぶろうとすると、トコトン排除されるんです。恐ろしいですよ~。そのおぞましい会議の隅っこのほうで、私たちは座ってなきゃいけないんです」
カワイ「ダイバーシティ推進室ですよね?」
さゆり「はい。あ、本当はもっと長い横文字がだらだらついているんですが、いわゆる“ダイバーシティ推進室”です。そのメンバーである私たちに会議を見学させているにも関わらず、ダイバーシティを根底から覆すような事件が起きたんです」
カワイ「どんな事件ですか?」
さゆり「昨年、女性初の部長が誕生しました。人事部長です。やがては役員が保証されている、超エリートです。待機組を飛び越えての抜擢だったので、役員会議では最初からAさん(=人事部長)にあからさまに冷く当たる人がいました。
でも、Aさんはメチャクチャさばけてる人で、そんなこと気にしてる感じではありませんでした。なので、私たちも応援していたんです。Aさんみたいな人が役員になったら、イミフの仕事もなくなると思うし……」
カワイ「イミフ???」
さゆり「あっ、意味不明のことです」
カワイ「意味不明でイミフ。若者言葉なのね…」
さゆり「っていうか、ネット語です(笑)。今って、イミフな仕事ばっかじゃないですか? 上から言われたから必死にやって持っていくと『それもういい』とか言われちゃうし、ノー残業デーなんてもイミフ。なんで残業ありき、なんだって感じですよね」
カワイ「確かに…。何やってるのかイミフな上司多いし…(笑)」
さゆり「でしょ~っ!! なので現場をよく知っていて、子育てもしてきたAさんなら会社を変えてくれるって期待していたんです。会社も女性活用を社外にアピールをしているので、Aさんが広告塔になってメディアに取り上げられることも増えました。でも、それを面白く思わないオジさんもいたみたいで。会議でAさんイジメが始まった。“ザ・事件”です」
カワイ「どんなイジメですか?」
さゆり「笑うんです。Aさんが質問するとヘラヘラして、まともに答えない。最初はAさんも我慢していたんですけど、あんなにヘラヘラされたら誰だってキレます。案の定Aさんもブチキレて、言っちゃったんです。『私のことバカにしてるんですか?』って。
あ~、言っちゃったって感じだったんですけど、それにオジさんたちが逆ギレした。容赦なくAさん攻撃が始まりました。Aさんのやってることがいかに稚拙か、いかに無謀かを、イミフの理論で責めたてて……。もう、すごかったんですよ」
カワイ「小学生以下ですね」
さゆり「あんな人たちが役員なのかと思うと情けなかったです。でも、いちばん恐かったのは、それまではAさん派だった人までイジメに加わったこと。その役員は私たちに対しても、いつも親身に相談にも乗ってくれる人で。『女性の管理職が増えれば会社も変わる』ってよく言っていました。
それなのに手のひらを返したように、Aさんを責めたてた……。やっぱりオジさんより、女性はエラくなっちゃいけないんですよね。Aさんはたぶん役員を目指していたんだと思うんです。もともとバリキャリだし。そういうAさんが醸し出した雰囲気も、オジさんたちは許せなかったんだと思います」
………。さゆりさんの話しは以上です。
ちなみに、さゆりさんは大手保険関連会社勤務の29歳。
主に社員教育を担当しています。
彼女の課は社長室に属している関係で、役員会議に出席したようですが、ヒラ中のヒラの彼女には役員会議での議題は、“イミフ”なものばかり。
そこで会社をひっぱるエリートたちの“人間ウォッチング”の場として、会議を活用していたのです。