「今から不動産って間に合うの?」(下)~人口減少時代の不動産投資とは~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol.50

「今から不動産って間に合うの?」(下)

~人口減少時代の不動産投資とは~

 こんばんは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 人は、得てして「自分の本当の価値」に気づいていないものです。今の世の中は、多くのことが機械化されてはいますが、それとて、もとはといえば人間が考え、生み出したものです。

 人が価値を生み出す方法には大きく分けると2つあり、それは

(1)自らが価値の源泉となる場合

(2)自分は価値を生み出すための仕組みをつくり、後はその仕組みが価値を生み出してくれる場合

の2つです。

 たいていの人は、(1)を行なって収入を得ています。たとえばサラリーマンや自営業者などがこれに当てはまります。意外なことかもしれませんが、高い年収を得ている医師や芸能人、スポーツ選手などといった人たちも、基本はサラリーマンと同じ方法で価値を生み出しているのであって、ただ単に労働単価が高いだけに過ぎません。

 それに対して、(2)はまったく違います。こちらは、一例を上げると会社組織などがそれに当たります。会社とは、言ってみれば価値を生み出すための“装置”です。ビジネスオーナーは、自らその仕組みをつくり出すか、もしくはフランチャイズ権などを買ってきて、人を雇って運営します。

 他には、たとえば投資なども「お金を生み出すための装置」と言えますから、(2)に含まれます。投資家は、一般に誰かがつくった仕組みに出資して、そこでお金を増やしてもらいます。仕組みをつくった人は、お金を増やす代わりに手数料を徴収します。株式投資にしろ、不動産投資にしろ、基本はどれも同じです。お金を生み出すもととなるのが、株の場合はそれを発行している会社の経営努力であり、不動産の場合は物件の収益性などになるワケです。

 (1)の場合は、いかに「自分が価値の高い仕事ができるか?」にかかっています。けれど(2)の場合は、大事なのは人ではなく「仕組み」です。そこに用意された仕組みが「きちんとお金を生み出せる設計になっているのか?」ということであり、もっとも大切なのは「そもそもお金を生み出す仕組みが存在しているのか?」ということなのです。



【Vol.50『国内不動産(下)』目次】

〔1〕イントロ: 不動産投資成功事例:Yさんの場合(40代、医師)

〔2〕本文:「今から不動産って間に合うの?」(下)〜人口減少時代の不動産投資とは〜

1、不動産業界で「大淘汰時代」が始まる

 ◎割高物件をつかまされない方法

 ◎不動産業界で「業界再編制」が始まる兆し

2、不動産の専門家が予想する「日本の未来」

 ◎淘汰はどこへ行き着くのか?

 ◎今後の行方が不動産投資に与える影響

3、「年収700万円の不動産投資戦略」とはどのようなものなのか?

 ◎不動産投資も「ハイブリッド型」が有効

 ◎不動産で利益を得る仕組みとは

4、稼げる不動産オーナーになるために

 ◎不動産の「利回り」について知っておく

 ◎実は銀行の金利は交渉できる!

5、物件の契約前にどんな選択肢があるのかを知っておこう

 ◎固定金利か変動金利か?

 ◎「空室」をリスクヘッジできるサブリースとは?

6、人それぞれの不動産との付き合い方

 ◎投資未経験者でも始められる「小さな一歩」

 ◎不動産は人生と共にある

7、「仕組み」づくりこそが自由へのパスポート

★本日のワンポイントアドバイス☆★

 不動産投資をするための準備段階5項目

〔3〕次回予告(予定):「やっぱりオーナーになりたい!」〜フランチャイズビジネスの成功法則とは?〜

〔4〕ニュースのビジネス的着眼点:「安くて便利」が行き着く先は?

〔5〕編集後記: 顧客とは丹精込めて育てるもの



◆〔1〕イントロ:

 不動産投資成功事例:Yさんの場合(40代、医師)

 さて。先週は国内不動産投資特集でしたので、少し不動産投資の実例をお見せしたいと思います。以下は、前回に引き続き今週もご登場いただくゲストで不動産の専門家・大山さんからお聞きした事例です。

 Yさんは40代の医師です。民間病院に勤めていて、年収が2000万円ほどあります。ここで「さすが医師、年収が高いなぁ」と羨ましがっていてはいけません。Yさんは産婦人科医で、毎月20人以上の出産に立ち会い、それ以外にも日中の診察やら、週に2、3日は夜勤もこなすという毎日。あまりの忙しさに、趣味らしい趣味も持てない状態でした。

 夜もぐっすりと眠れない日々が続き、Yさんは不眠症、高血圧、高血糖状態になってしまいます。先週号(Vol.49)の中で「このままでは、日本は医師が足りなくなる時代がくる」というお話をしましたが、まさに病人を治療している本人が過労で病気になりかねないのが、今の医療現場です。

 将来に不安を感じたYさんは、今あるお金を増やせないものかと、株やFXについて調べてみましたが、仕事で忙しい自分には難しいと感じて断念。実は前々から、確定申告の度に「何でこんなに税金を持っていかれるんだろう」と気にもなっていたYさん。不動産が節税になるということはわかりましたが、とても信頼できる業者を探す余裕などありませんでした。

「このままでは本当の病気になってしまう」と感じたYさんは転職。新しい勤め先で、大山さんにめぐり合います。大山さんは、その病院の経営に関わっていました。病院にあった大山さんの書籍を読んだYさんは、思い切って大山さんに声をかけます。この勇気を持った決断が、Yさんの転機となりました。

 現在、Yさんは関西にある2棟のマンションのオーナーです。経営は順調。現在の夢は、早めにリタイヤを実現して、自給自足の生活をすること。次の物件を購入したら、その利益で憧れのポルシェを買いたいと話しています。

 私たちがYさんに続くには、どうしたらいいのでしょうか?

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