■釣り人が少ないポイントで釣りをする
現在、起業塾を開催して3回目が終わったところですが、競合の少ないところでビジネスをするため、数名に方向転換を促しています。
たとえば私の自宅でリトミック教室をしているのですが、ホームページは作りっぱなし、ブログは月2回のみ更新という程度ですが、ひっきりなしに体験申込みが来ていて好調です。
これは、このエリアでは小さな子を持つファミリーが多く、その多くは都内や東京近郊からの移住組であることから、比較的子どもの教育に関心が高い世帯が多いからです。
この話を裏付けるエピソードはたくさなり、ほかにも私の知人の歯科医は、以前は銀座に歯科クリニックを出したけれどもうまくいかず、埼玉のマイナーな駅の近くに歯科医院を開業したところ、大繁盛。
マイナーなエリアゆえに歯科医院が少なく、地元の子供から大人、高齢者まで連日満員で、本人は「休む暇もなく疲れた」とか言っています。
そのため、都市部での歯科クリニックはコンビニより多く年収500万に満たない歯科医も多いと言われ、みな審美歯科など自費診療に多くの歯科医がしのぎを削っていますが、虫歯治療だけで十分やっていけるとのことです。
エステなども同じく、なぜか多くの人は銀座や表参道、恵比寿などで開業したがりますが、郊外に出ると競合は少なく(単価も安いですが)、家賃も安いので一人勝ちしやすい。(実際、妻が行っているのもそういうところです)
こういう空白地帯は、首都圏でもたくさんあります。
受講生の一人で不動産仲介で開業したいという人がいて、いまは目黒に住んでいるから目黒でやりたいという。
しかし売買なら仕入が、賃貸なら店舗が必要で、その参入ハードルもコストも高い。
そこでその人が江戸川区の下町の駅付近に昔住んでいたことがあるということを聞き、そこのほうが運営コストも安く競合も少ないので、検討する価値があるのではという助言をして調査を進めてもらっています。
また、北海道から受講生が来ており、当初はサプリメントを使った栄養カウンセラーを目指していたのですが、ウェブデザインの知識があることから、北海道の起業家向けのウェブ制作、ウェブ講座がいいのではという話になり、彼女はウェブマーケティング会社にアルバイトとして入社し働きながら技術を学び始めました。
栄養に関心のある人は自分で情報収するし、本当にカウンセリングが必要な人は無頓着ゆえにリーチが難しい。
ウェブ制作の世界は北海道であってもそれこそレッドオーシャンで、新参者が勝ち残るのは容易ではない。
しかし起業家・自営業者向けの制作、および彼らが自分で更新できる技術の伝授であれば市場が開拓できるのではないか、という発想です。
この発想は、いろんなビジネスに適用できるのではないでしょうか。
いつ家を買うのが正解なのか?
まぐまぐさんからの依頼で特別原稿を書きましたので、今回はそれをご紹介いたします。
「いつ家を買うのが正解なのか?」
たとえば湾岸のタワマンを買い漁った中国勢の引き上げはもう始まっており、オリンピック後に住宅バブル崩壊で地価が暴落するといった専門家のコラムがよく話題にのぼっています。そんな不安があるのか、首都圏で家を買うならいつがよいのか、というご質問をいただきました。
確かに、現実的にもたとえば湾岸エリアを中心にファミリータイプのマンション在庫はかなりだぶついており、売れ残りが目立って増えています。
価格が高騰し一般のサラリーマンでは住宅ローンの審査が通りにくい水準になっていることに加え、供給過剰となっているからです。
さらにオリンピック後には晴海の選手村約5,000戸がマンションとして販売される予定で、これらが本当にさばけるのかどうかという噂も取り沙汰されています。
いずれにしても家が余り、買う人が少なくなれば、売り手は値段を下げざるを得ないでしょう。
そのため首都圏でファミリータイプのマンションを買おうと思っている人は、もう少し待てば安く手に入る可能性があります。
また、以前も紹介したとおり2022年問題(生産緑地の期限が来る問題)が騒がれているとおり、郊外にある農地の一部が住宅地として放出されて供給が増え、戸建ての価格も安くなる可能性はあります。
ただし地価が下落傾向の局面では、銀行にしてみれば担保価値が下がっていくわけですから、ローンが組みにくくなり、自己資金も多く必要になってきます。
そういった情報があるため、いつが買い時なのか迷うのかもしれません。
しかし私の答えはズバリ「欲しい・必要だ、と思ったとき」です。
「いつが買い時か?」が気になるのは、価格しか見ていないからです。割高な値段で買いたくない、少しでも安く買いたい。そう思うのは誰でも同じですが、価格は家の購入判断の一要素に過ぎません。
私たちは、家から1日がスタートし、家で1日を終えます。
家が快適であれば、「今日もがんばるぞ」という気持ちになりますし、心も穏やかに過ごせます。そういう意味では、家とは人生の基盤となる空間と言えます。
たとえば、今日は疲れたら早く家に帰って休みたい。悩み事があれば、家でゆっくり考えたい、ということは誰にでもあると思います。
会社で落ち込むことがあっても、家でぐっすり眠ると、翌朝はまた元気に会社に行ける。愛する家族やペットが待っている。家に帰ると、ほっとする。
週末は家でゴロゴロ、ホームシアターにして映画を観る。子供と一緒に庭で遊ぶ。誰にも気兼ねせず、自由に、ゆったりと自分の時間を過ごすことができるプライベートな空間。自分たちが使いやすいように改造・リフォームも自由。
それがマイホームです。
価格以外にも、立地や周辺環境、広さや間取り、使い勝手、自分だけでなく家族の利便性とのバランスを見ながら決めるでしょう。
人は環境に大きく影響されます。
たとえば車の渋滞が激しく、割り込みや黄信号でも平気で突っ込むのが当たり前の地域なら、自分の運転もそうなります。
お店に行って、子供が走り回ったりしないように、飼い犬が騒がないように、きちんとしている人が多ければ、自分もそうなります。
どこに住み、周囲にどんな人たちがいて、どのようなコミュニティに属するかが、人格や価値観の形成にも影響を与えます。
住まいを選ぶというのは、単にハコだけではなく、環境も一緒に選ぶ行為です。その環境の中で暮らす自分の人生を選ぶことです。
つまり、住みかを選ぶことは、人生の一部を選ぶ行為と言っても過言ではありません。ならば多少は値段が割高に思えても、積極的に選ぶという判断もアリでしょう。
そして不動産はその場所のそこにしかありませんから、「ここに住みたい!」と思ったときに買わなければ、そこに住むことはできません。のちに中古や近隣で売り物件が出てくるかもしれませんが、本当にでてくるかはまったくわかりません。