「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(上)~失敗しない新興国投資とは?~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol.73

「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(上)

~失敗しない新興国投資とは?~

 こんばんは。俣野成敏です。

 内閣府が今年(2017年)7月に発表した「2017年上半期 世界経済報告」によると、世界経済は緩やかな回復基調にある、ということです。2016年には、米トランプ政権の誕生や英国のEU離脱などといった、政治的に大きな動きもあり、先進国を中心に、一部の地域で景気の減速感が見られました。

 そのせいか、昨年の世界経済成長率は、金融危機後ではもっとも低い数字である3.1%にとどまったと見られていますが、昨年の秋以降になると、中国と米国の内需が持ち直して輸入が伸びたことから、今年に入り、米国やEUを中心に設備投資が増加しています。

 IMF(国際通貨基金)のHPによれば、アジア太平洋地域の経済見通しは、今年から来年(2018年)にかけて5.4〜5.5%の成長率を堅持すると予測されており、「依然、アジアが世界の成長を牽引し続ける構図に変わりはない」としています。中でも「今年に入って世界経済が持ち直してきたことが、アジアにとっては大きな支援材料になり得る」と考察されています。

 つまり、貿易やビジネスが向かう先として、アジアが有望視されている、ということです。



【Vol.73『新興国投資(上)』目次】

〔1〕イントロ: 好調な新興国に忍び寄るテロの脅威

〔2〕本文:「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(上)〜失敗しない新興国投資とは?〜

1、新興国の投資神話は実在するのか?

 ◎ダバオの今の繁栄は、現大統領のコネのおかげ?

 ◎新興国で20倍の儲けが出た“究極の投資術”とは?

2、新興国投資の現実を知る

 ◎「土地が上がる」筋書きはあらかじめ用意されている?!

 ◎やはり投資初心者に海外投資は高嶺の花?

3、どんなに長い戦争も、やがて終わる

★本日のワンポイントアドバイス☆★

☆今週の宿題★☆

 自分の理想とする投資を考えてみよう

〔3〕次回予告(予定):「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(中)〜失敗しない新興国投資とは?〜

〔4〕ニュースのビジネス的着眼点: ドラッカー博士は「副業・兼業時代がくる」ことを予言していた!

〔5〕編集後記: ミンダナオ島より最新ニュース!

〔6〕今後の特集スケジュール: 2017年10月〜11月予定



◆〔1〕イントロ:

 好調な新興国に忍び寄るテロの脅威

 目下、特に経済が好調なのは東南アジアです。ADB(アジア開発銀行)は、今年のアジア新興国の成長予想を、5.7%から5.9%へと上方修正し、「来年もこの勢いは続く」と予想しています。

 ただ、ここへきて不安要因の一つとなっているのがテロの拡大です。最近、欧州などでも頻発している、イスラム過激派(IS)を中心としたテロの横行は、たびたびニュースなどでご覧になっていることと思います。東南アジアでも、昨年1月にインドネシアのジャカルタで発生した自爆テロを皮切りに、9月にはフィリピンのミンダナオ島で爆弾テロ等が起こっていますが、それ以外にも、各地で容疑者が逮捕されたりしています。

 そもそも、東南アジアにイスラム教が初めて伝わったのは13世紀頃のことだとされています。この地域は、もとから複数の民族や宗教が同居していましたが、1990年代以降、特に世界でイスラム過激派による活動が活発化するようになってから、当地でも民族や宗教による対立が目立つようになりました。

 各国は現在、テロに対する警備を強化しており、協力態勢もでき上がりつつあります。

東南アジア、対テロで協力 海に続き空でも合同警備

 これからの日本は、経済が今まで以上に外国人観光客や移民に頼らざるを得ない状況になっていくことを考えると、テロ問題は決して“対岸の火事”とは言えないことを、肝に銘じておくべきでしょう。

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