平和憲法でも戦争、日本軍でも戦争 武田邦彦集中講座『憲法と平和を科学で考える(4)』

 
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◆今後、日本の周辺諸国が戦争を仕掛けてくる可能性はあるのか

「平和憲法でアメリカ軍がいない場合が、もっとも戦争の危険が高い」という驚くべき結果が、先回までの整理で徐々にハッキリしてきました。また反対に「憲法を改正し、日本軍を作り、独立国としてアメリカ軍も帰ってもらうというケースも戦争の危険性が高い」ということもわかりました。

考えるのもイヤなぐらい複雑怪奇なことですが、もし戦争になったら私たちの親の判断ミスで子供達が大きな犠牲を強いられるわけですから、ここはやけにならず、もう少し頑張って整理を進めたいと思います。戦争になってから堪え忍ぶよりも、平和な今の時代に粘り強く考えた方が良いからです。

戦争は「圧倒的に軍事力の大きな国が、軍事力が弱い国を攻める」(ウェストファリア)ことによって起き、「軍事力が拮抗している時には戦争は起こらない」(ウェストファリア)ということ、「日本と戦争が起こるとすれば、近隣諸国だけ」(戦後の戦争)ということも頭に入れておく必要があります。

かつては国の力が対等でも戦争が起こりましたし、植民地があった時代は先の戦争(大東亜戦争)のように日本が遠く離れたイギリス、オランダと戦争をするということもありましたが、今では、日本が戦争をする可能性のある国は、時計回りに「太平洋の島々の国家」「フィリピン」「共産党支那(中国)」「台湾」「韓国」「北朝鮮」「ロシア」そして「アメリカ」の7カ国です。

このうち、「太平洋の島々」「フィリピン」「台湾」はまず戦争はあり得ませんし、「アメリカ」は同盟を結んでいる限り再び戦争はないでしょう。そうなると、「平和を守る」というのが難しいのは、「共産党支那」「韓国」「北朝鮮」「ロシア」の4カ国でしょう。

この4カ国について、「平和憲法があれば攻めてこない国」と「日本軍がいれば攻めてこない」という国に分けると、前者(平和憲法)があるので攻めてこないという国はありません。もともと「共産党支那、韓国、北朝鮮」は反日国家なので、日本の憲法など存在を認めていないからです。ロシアはそれほど反日ではありませんが、それでも日本を攻める必要があったら平和憲法のありなしとは関係なく戦争になるでしょう。

後者(日本軍)の場合は、北朝鮮と韓国は日本に負けるので戦争にはならないと考えられますが、共産党支那とロシアは戦争の可能性があります。

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