毎月分配型投資信託で逃げ切れるか?~午堂登紀雄の「フリーキャピタリスト入門」

■仮想通貨の未来

前回のメルマガでビットコインはあと10年くらいかもと書きましたが、その理由のひとつは発行上限とリワード(報酬)の問題です。

通貨を無制限に発行できるとインフレを招きますから、それを防ぐ意味でもビットコインでは発行上限が定められています。

その上限は2,100万BTCで、発行上限を迎えるのは2140年です。あと100年以上も先じゃないかと思えますが、実は現時点ですでに80%のビットコインが発掘されています。

ちなみにビットコインの発行とは、新たなブロックを作ってチェーン上につないでいくことで、ブロックチェーンを作っていくためのブロックに対し、最適値を求めることです。

これをマイニング(発掘)と呼ばれているのですが、マイニングこそビットコインの暗号性(つまり安全性)を高める基盤となるので、マイニングした人や業者には報酬としてビットコインが与えられます。

このマイニングには相当の演算が必要で、体育館のような大規模施設に専用の大型コンピューターをずらっと並べて24時間365日計算しているそうです。そのため電気代の安い中国の業者のシェアが7割弱と言われています。

数百億円レベルでマイニング・ファームが建設されていて、今は個人の出る幕はほとんどないようです。

そして2028年ころには上限の98%が、2032年ころには99%のビットコインが発掘されると言われており、最終局面に近づけば、「もう上がらない」と気づいた人たちが売り抜けるようになる可能性があります。

そういう人が増えてくれば下落、ということにもなりかねません。

また、発掘した人にはリワード(報酬)がビットコインで与えられるのですが、この報酬率が4年ごとに半減されることになっています。

2020年ころには6.25BTC、2024年には3.125BTC、2028年ころには1.5625BTCになる見込みで、たとえば1ビットコインが150万なら約230万円の報酬となる。

しかし1ビットコインが50万円なら78万円ですから、これでは採算に合わないと撤退するマイニング業者も出てくる可能性があります。

そういったことも踏まえて10年くらいかなあと思っていますが、それがもっと早くやってくるのか、もっと遅くになるのかはわかりません。あるいは100年先も大丈夫なのかもしれません。

それに、各国政府・中央銀行自身が仮想通貨の研究や実証実験を始めていて、国家お墨付きの仮想通貨が発行されれば、そのほうが信用力が高いですから、決済手段・送金手段としては有力です。

もっとも、だからといって資金がそちらへ移動するかどうかまでは何とも言えません。

管理者がいない仮想通貨は、適正な価格が存在しない。だからみなが上がると思えば上がる。

管理者がいる仮想通貨の価格は、その国の通貨に準じるでしょうから、投資の対象にはなりにくいことが予想されます。

ううむ。。ますますわからなくなってきた。。。

ただ、リップルは送金・決済手段としての応用が有力視されているようで、とりあえずリップルを買い増ししました。

参考までに、昨年あたりからビットコイン及び仮想通貨、そしてブロックチェーンに関しての本が出版されていて、私もいろいろ読んでみましたが、もっともわかりやすいのは最近発売された「アフタービットコイン」という本です。

かなり網羅的に解説されており、前述の発行上限やリワードの問題ももっと詳しく書かれています。

ビットコインや仮想通貨に投資を予定あるいはしている人にはおすすめです。

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