学習とモチベーション/アベグジットは起こるのか?~午堂登紀雄の「フリーキャピタリスト入門」



学習とモチベーション

「学歴コンプレックス」という言葉があるくらい、自分の学歴を気にする人は少なくないようです。

大学に行っていないから、あるいは行っていても三流大卒だからという理由で積極的になれないという人もいるそうです。

しかし、学歴の意味するところは、18歳の春という一瞬のタイミングでの学力と、自分が積み上げたわけではない学校の名前という、他者のブランドに過ぎません。

学力では、たとえばリーダーシップや協調性といった人間性、創造力やイノベーティブな能力は計測できない。つまり、社会に出てから本当に重要かつ必要とされる才能は、学歴とは関係ありません。

もっとも、事務作業や手順が決まっている仕事の能力は、学歴の高さと比例しているそうです。

これからは、自分が何を学んできて、これから何を学ぶかという「学習歴」のほうが重要ではないでしょうか。

なぜなら、学んだことによって自分の能力が形成され、それが収入、ひいては人生を決めることにつながるからです。

確かに学閥が存在する企業もあるし、新卒のときは学歴が大きく影響する。

しかし将来の地位や収入を決めているのは、これまで学んできたもの、これから学ぶことの積み重ね。

それは何も専門知識や個別のスキルだけに限らず、社会のニュースについて自分の考えを持つことで、たとえば取引先などとの商談が盛り上がるかもしれない。ヨガや瞑想を学ぶことで、感情の制御ができて心に余裕を持てるようになるかもしれない。モノの構造を学ぶことで、自分で修理ができるようになるかしれない。

学べば学ぶほど、自分でできる領域が広がり、あるいは他人より上手にできるようになり、自分の世界も広がっていく。

重要なのは、学習への好奇心を失わないこととも言えます。

一方で、「勉強しなければならない。でも勉強したくない」と感じることもあるでしょう。

しかし、イヤイヤやっても身に付きにくいし、何よりつらい。

それに、学ぶことは本来楽しいことのはず。確かに業務上で会社から求められるような勉強は楽しくないですが、新しいことを吸収し、よりレベルの高いアウトプットができる自分になる、つまり自分の成長を感じられることは、ひとつの幸福でもあります。

そこで、「もう勉強なんてしたくない!」と感じたとき、こういうイメージトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。

ひとつは、「勉強をあきらめた、その後の未来の自分の人生」を想像してみること。

たとえば英語学習をしていて、面倒だからあきらめたとします。

英語ができないままの自分であり、夢に描いていた海外勤務や外資系企業への転職もできなくなった自分。今の会社で細々と働き、何十年後かに定年退職する。仮に転職できても、自分ができることは同じなので、きっと同じような待遇だろう。これでいいのだろうか・・・。

「それもまあ、いっか」と思えるなら、やめてしまえばいい。しかし、「そんなのはイヤだ!」と思えるなら、「やろう」という気になってこないでしょうか。

そして次に、「勉強を続けた、その後の未来の自分の人生」を想像してみる。面倒で挫折しそうだったけれど、がんばって英語学習を続けた先の未来です。

英語でコミュニケーションが取れるようになった。社内応募で海外支店に赴任が決まった。あるいは外資系企業に転職でき、収入も上がった。「言葉が通じない」という不安がないから、取引先は世界中から開拓できるし、日本の企業でも海外の企業でもどこでも行けるという自信がついた。将来は家族で移住もいいな・・・。

「そこまで魅力的なキャリアじゃないかな」と思うならやめればいいし、「すっげーワクワクする!」と思えるなら、やはり「やろう」という気になるのではないでしょうか。

(ちなみに私はそう考え、英語学習は捨てました・苦笑)

そして、「やっぱりやろう!」と再認識したら、目標を忘れないように可視化しておくことです。

たとえば高校受験などでも、行きたい学校の制服を買って部屋に飾るとか、行きたい学校の前で自分の写真を撮り、それをいつも眺めて合格後の自分を想像しながらモチベーションを高める方法などがある。

あるいは自分の欲しいモノの写真をスマホの待ち受け画面にし、それを手に入れた自分を想像してやる気を維持するという方法もあるように、自分の未来の姿の写真を作っておく。

モノは簡単だけれども、「将来はこんな姿になっている」という写真はちょっと難しい?憧れの風景やシチュエーションの写真に、自分の写真を合成してみるのはどうでしょうか。

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