韓国に実妹を派遣した金正恩/続投する黒田日銀総裁/村田製作所株等

■韓国に実妹を派遣した金正恩・続投する黒田日銀総裁・村田製作所株等

「長谷川慶太郎の大局を読む 緊急版」として『日本の難題』(発行:李白社、発売:徳間書店)が刊行されます。景気拡大期こそ改革の好機という観点から、東京オリンピック後、日本の株価、憲法改正、核保有、天皇制、安倍一強、製造業の行方、EVへのシフト、銀行業界、AIの時代、朝鮮半島という11の難問に対して明確に答えた内容となっています。2月末に全国の大手書店に並びますので、ぜひご一読下さい!

●南北首脳会談を求める親書を携えて韓国に来た特使の金与正氏

 韓国での平昌オリンピックが2月9日開幕し、開会式には安倍晋三首相やアメリカのペンス副大統領のほか、北朝鮮の最高人民会議常任委員長の金永南氏と朝鮮労働党中央委員会政治局員候補の金与正氏も出席しました。金与正氏は金正恩委員長の実妹で、北朝鮮の権力を世襲してきた直系血族では初めての韓国公式訪問となりました。北朝鮮では金永南氏が序列2位とされていますが、金与正氏は金正恩委員長にも意見できる存在なので、実質的には金永南氏よりも立場が上だといえます。

 金与正氏と韓国の文在寅大統領は翌2月10日に韓国青瓦台(大統領府)で会談を行いました。このとき、金与正氏は「私が特使です」と突然切り出して、文在寅大統領の早期訪朝と南北首脳会談の開催を求める金正恩委員長の親書を渡しました。南北首脳会談が実現すれば2007年10月以来のことになります。金与正氏が特使であることに韓国側も驚いたのですが、親書に対する文在寅大統領の金与正氏への答えは「これから条件を整えて実現していきましょう」でした。文在寅大統領は、本心では南北首脳会談に前向きながらも、核開発を続ける北朝鮮に強く反発している日米の手前、今は南北首脳会談を開く条件が整っていないという認識を表明せざるをえなかったのです。

 一方、金正恩委員長が実妹まで韓国に送り込んで南北首脳会談を呼びかけなければならなかったのも、北朝鮮が窮地に追い込まれているからにほかなりません。国連安全保障理事会では、北朝鮮の核実験を受けて昨年9月に初めて北朝鮮への石油輸出の規制という制裁決議を下しました。これによって1年間の原油輸出量を過去1年間の実績を超えないように制限するとともに、ガソリンなどの石油精製品でも輸出量の上限を昨年10~12月は50万バレル、2018年以降は年間200万バレルと定めたのです。このガソリンの輸出規制は北朝鮮に特に堪えています。しかも制裁決議には中国も賛成したので北朝鮮はガソリンの提供を中国に頼ることもできなくなりました。

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