憲法前文を読めば自衛権がわかる 武田邦彦集中講座『憲法を深く考える(1)』

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◆「憲法改正」について、隠さずすべてオープンにして考えてみる

先日の世論調査によると、平和憲法のもとで自衛隊は問題ないとする人が国民の53%でした。憲法9条には「武力を持てない、交戦権がない」と書いてありますし、自衛隊が武力であること、日本は世界で8番目に多い「軍事費」の予算を持っていることなどとまったく相反します。軍隊を持ってはいけない国が世界で8番目に多い軍事費を出しているし、さらに駐留米軍が日本にいるのですから、日本はアメリカ、ロシア、中国に次ぐ「軍事大国」でもあるのです。

いま、「憲法改正」が話題になっていますが、そのもっとも大きな争点である「再軍備」というのは現実にあるのかないのかすらはっきりしないのです。そこで、このシリーズは私たちにも私たちの子供にも大きな影響をもつ「日本国憲法を深く考える」ことを、「建前」ではなく「本音」で整理してみたいと思います。

難しいように見えますが、それは一部を隠して話をするからで、すべてオープンで考えれば、案外簡単です。

憲法前文には次のように書いてあります。

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