飯塚玲児の『郷土の味 逍遥』~城下町の庶民が“頭を使った”味(大分県竹田市)

 

 大分県竹田市、いわゆる豊後竹田は、僕のもう一つの顔である温泉ライターとしていうと、「長湯温泉」や「七里田温泉」というスーパー極上炭酸泉(二酸化炭素泉)が湧く、ぬる湯の里である。

 だが、やはりよく知られているのは『荒城の月』などで知られる瀧廉太郎ゆかりの城下町だということだろう。

 この地に「頭料理」なる名物がある。材料に“頭を使った”郷土料理である。

 素材にはアラ(クエ)やニベ(オオニベ)など、20キロ前後の大型魚の頭や内蔵などを使う。肝心の身の方はどうするのかといえば、

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