「マネープラン・人生アドバイス実践編」~密かに忍び寄る人生の危機に対処する方法~俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編 Vol.98

 こんばんは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 世界的な経営学者のP・F・ドラッカー博士は、かつて著書の中でこのように述べています。

「彼らは自分ではコントロールできない四つの大きな現実に囲まれている。それらの現実は、いずれも組織に組み込まれ、日常の仕事に組み込まれている。彼らにとっては、それらのものと共生するしか選択の余地はない。しかも四つの現実のいずれもが、仕事の成果をあげ業績をあげることを妨げようと圧力を加えてくる」(P・F・ドラッカー『経営者の条件』)

 ここで言う「彼ら」とは、組織で働いている人のことです。しかしこのことは、何も会社に限った話ではないでしょう。もともと、組織とは2人以上の人が集まってできた集合体のことを言います。当然ながら、組織は会社以外にも、家族、仲間、学校など、「人がいるところには必ず組織がある」、といっても過言ではありません。つまり、人は必ず何かしらの組織に属しています。ということは、この言葉は「すべての人に当てはまる」とも言えるものです。

 では、《組織に属している人が必ず直面する四つの現実》が何かと言うと、

(1)自分の時間を他人に奪われている現実

(2)日々の雑務に追われている現実

(3)「成果とは本来、他人に依存している」という現実

(4)自分が組織の内側にいるという現実

の4つです。



【Vol.98『マネープラン・人生アドバイス実践編』目次】

〔1〕イントロ: ドラッカーの言う「人が組織内で必ず直面する四つの現実」とは?

〔2〕本文:「マネープラン・人生アドバイス実践編」〜密かに忍び寄る人生の危機に対処する方法〜

1、個人事業を軌道に乗せるためのマネープランとは?

 ◎個人事業主・Aさんの前に立ちはだかる“時間”という壁

 ◎サラリーマンが独立するまでのステップは3つ

2、老後が近いのに、まだ準備ができていない場合のマネープランとは?

 ◎「どうしたら赤字家計を修正できるのか?」Bさんの場合

 ◎「役職定年で年収が半分以下に!」危機が迫るCさんご夫婦の場合

3、“違和感”とは危険を察知した心の声

〔3〕次回予告(予定):「奨学金破産について考える」〜金融の専門家が社会問題にメスを入れる!〜

〔4〕編集後記:「人は何にからでも学ぶことができる」

〔5〕今後の特集スケジュール: 2018年6〜7月予定



◆〔1〕イントロ:

 ドラッカーの言う「人が組織内で必ず直面する四つの現実」とは?

 それでは、先ほどのドラッカー博士が主張した《組織に属している人が直面している四つの現実》について、順に解説していきましょう。

 まず、第一の「時間が奪われる現実」についてですが、これは誰でも思い当たる節があるのではないでしょうか。会社には、無駄な会議や意味のない雑談、不必要な資料の作成など、私たちの貴重な時間を容赦なく消費する要素であふれています。家でも学校でも、状況は似たり寄ったりでしょう。深刻なのは、時間を浪費している現実に、お互いが気づいていないことです。

 第二の「日々の雑務に追われている現実」も、ほとんどの人が同感するところでしょう。いつになったら終わるのか?も知れない果てしなく続く日常業務。家に帰れば帰ったで、やらなければならない家事が待っています。ドラッカー博士は、「断固たる行動をもって変えない限り、日常の流れが私たちの関心と行動を決定してしまう」と言います。

 第三の「『成果とは本来、他人に依存している』という現実」については、少々解説が必要でしょう。一般に、仕事とは組織の維持・発展に必要な「やるべきこと」のことを指し、自分のために行うことは仕事とは言いません。通常、仕事で成果を出すには「自分が仕事で生み出したものを、他人に何らかの形で使ってもらう」必要があります。他人に使ってもらい、「世の中が便利になった」とか「他人が喜んだ」といったような結果を伴って、初めて「成果があった」と言えるのです。これが「成果は他人に依存している」所以です。

 最後に、第四の「自分が組織の内側にいるという現実」について説明します。ドラッカー博士は、「組織に属している人にとって、その組織の内側こそが現実なのであって、外の世界からは隔絶されている」のだと言います。もしかしたら、これをお読みになって、「組織に属していようとも、私たちは自分の行きたいところへ自由に行けるし、いくらでも外に出られるではないか」と思った人もいたかもしれません。

 しかし、博士は「人は厚く歪んだレンズを通して外の世界を見ている」のだと言います。実のところ、私たちはありのままの現実を見ているわけではありません。「自分というフィルターを通して、自分の見たい現実を見ている」のだと言うのです。

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