獣医の加計学園問題~武田邦彦集中講座 複雑な問題を簡単に切る(1)

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◆なぜこうも加計学園問題が取り沙汰されるようになったのか

【問題のあらまし】

すでに2年越しで国会で問題になり、テレビなどが連日、報道している事件。獣医大学を作りたいという申請に対して、告示を理由にそれを阻止しようとする文科省。大学設置などの規制(岩盤規制)を緩めて景気回復と社会の革新を狙う総理官邸の関係が問題となったもの。前川元文科省次官が首相官邸に反旗を翻して、それにマスコミが乗って大問題となりました。

正面切った議論が必要なのか、それとも安倍首相と加計学園の理事長との交友関係が問題なのか、大学立地の自治体である愛媛県との関係はどうかなどが議論されています。

【簡単に切る】

この事件で、日本にとって大きな論点は、

1)大学などの厳しい規制が必要か?

2)首相などが友人などのつながりで政治を動かすのは不適切か?

の二つです。

まず、日本の学校は厳しい文科省の規制でがんじがらめになっています。こんな先進国は日本だけで、もともとアメリカは文科省自体がなく、ヨーロッパは政府がほとんど教育に関与しません。日本は「お上が決めたこと」に従うし、それが明治時代などの日本にはとても適していて、字を読める人の割合も世界一、工業技術も世界一になった一つの原因です。

だから、先進国が教育の規制が弱いのに、日本は強いほうが良いというのが「正面切った理由」で、文科省の役人が天下りするために規制を緩めないというのが「裏の理由」です。

【なぜケリがつかないのか?】

テレビの放送の時に、カメラが止まりコマーシャルに入ると、スタジオにいるコメンテーターは「これは天下り利権ですね」とすぐ合意するけれど、カメラが回り始めると「天下り」という言葉は出てこなくなる。仲間内で最初に話す肝心なことが、放送に入るとタブーとなる理由は、

1)本当に規制が天下りと強く関係しているか調査と研究が進んでいない

2)もともと規制が必要なのか、天下りは悪いことなのかが議論されていない

の二つです。

現在の新聞やテレビは「経費削減」のあおりを受けて、本来最も大切な「取材」を軽んじています。だから、加計学園についても「獣医学部新設の問題から始まって、安倍首相に贈賄などの法的に問題になることはあったか」という事実関係がまったく取材されていません。むしろ、取材しないことによっていつまでも「疑惑」が残り、それをバラエティー番組で「ああでもない、こうでもない」と話をする種にし、国会でも同じようなことが行われているのです。

◆著者の見解。加計学園問題が「何の問題もない」5つの理由。

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