『バジリスク ~甲賀忍法帖~』解説
『バジリスク ~甲賀忍法帖~』は2005年に放送された全24話のテレビアニメーションである。アニメーション制作はGONZO。監督はこれが第1作目となる木崎文智、助監督は西本由紀夫、シリーズ構成はむとうやすゆき、キャラクターデザインと総作画監督は千葉道徳、美術監督は池田繁美という布陣で濃厚なビジュアル化が進められた。 本作にはふたつの原作が存在する。直接の原作は、せがわまさきによる同題の漫画...
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『バジリスク ~甲賀忍法帖~』は2005年に放送された全24話のテレビアニメーションである。アニメーション制作はGONZO。監督はこれが第1作目となる木崎文智、助監督は西本由紀夫、シリーズ構成はむとうやすゆき、キャラクターデザインと総作画監督は千葉道徳、美術監督は池田繁美という布陣で濃厚なビジュアル化が進められた。 本作にはふたつの原作が存在する。直接の原作は、せがわまさきによる同題の漫画...
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怪獣映画という手法で怪獣映画それ自体を描き、その存在を照射する「メタ怪獣映画」。ある種「究極の怪獣映画」とでも呼ぶべきものだということに気づいて、まずは参った。 開巻は、やはり漁船の遭難からスタート。襲撃者の全身像が不明なうちに事態が進展し、怪獣の仕業であることが発覚。唯一の生存者が救助されて病院に収容され、政府や科学者が危機感を抱くという映画の導入部から、すでにして「お約束」が全開である...
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映画とアニメーションは、幾重にも入り組んだ複雑な関係をもっている。もともと「驚き盤」などで確立していた動く画の原理を写真術に応用して映画が発明され、事実その初期は「活動写真」という呼称のとおり「動くこと」それ自体が集客の核だった。やがて物語性を獲得して「劇映画」に発展した後を追うようにして、ディズニー最初の長編『白雪姫』(37)からアニメーションも「動くこと」自体の楽しさ珍しさから、物語や...
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今さら強調するようなことでもないが、自分が趣味的にも職業的にもアニメに深入りする契機になったのは、1974年の『宇宙戦艦ヤマト』からである。であれば「ヤマトの何がそんなに良かったのか?」という質問にも答えを用意しておきたい。だが、なかなかこれを明瞭に説明するのが難しい。 とは言うものの、ごく一断面であっても折りに触れて語っておいた方が良いかなと思うことも多くあるので、ここでは『宇宙戦艦ヤマ...
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※2005年の原稿です。いよいよ公開迫る、福井晴敏原作/樋口真嗣監督の映画『ローレライ』(2005年3月5日東宝系)。ガンダムの血脈を継ぐ日本映画界の革新が、いまついに全貌を現す!●闇と希望の指し示すもの 前回に引き続き、「ガンダムの時代・番外編」として3月5日公開の新作映画『ローレライ』(フジテレビジョン・東宝提携作品/福井晴敏原作/樋口真嗣監督)を取り上げて、ガンダムを連想させる「魂の継...
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必見、福井晴敏原作/樋口真嗣監督の映画『ローレライ』(2005年3月5日東宝系公開)。潜水艦を主人公とした本作を、ガンダム的視点で見た魅力に迫る!●新時代のエンタテインメント映画『ローレライ』誕生 今回、次回と、「ガンダムの時代・番外編」として3月8日公開の新作映画『ローレライ』(フジテレビジョン・東宝提携作品)を取り上げたい。 原作者は小説『亡国のイージス』で大藪春彦賞をはじめとする各賞を...
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※2005年の原稿です。 2004年に『エースをねらえ!』が上戸彩主演の実写ドラマでリメイク、オンエアされて反響を呼んだ。もちろん原作は山本鈴美香のマンガであるが、直接の原作はTVアニメ版(1973年製作)と言うこともできる。特にテニス試合でスマッシュを打ち込まれた驚愕の時間感覚が一瞬だけスローで表現されたり、流れるようなカメラワークで感情のリズムを組み立ててドラマを盛りあげる様は、アニメ版...
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※2005年の原稿です。 映画『ローレライ』については、対談本「ローレライ、浮上」(講談社刊)で樋口真嗣監督と福井晴敏氏から濃密な話を聞いて、まとめさせていただいたという経緯がある。その上、編集部依頼で「月刊ガンダムエース」誌(角川書店)でも、自分の連載枠を2回分使って述べた。 ヒットもしたし、今の気持ちは「良かった良かった」である。なんだか他人の作品のような気がしなくなった部分がある。 た...
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※2005年の映画『ULTRAMAN』に関する原稿です。 「再演」「新釈」というリメイクは、映画に限らず芸術の手法として古くからあるものだ。シェイクスピア劇などが典型で、舞台での誰だれ演出ものというスタイルはもちろん、黒澤明が『マクベス』を時代劇に翻案するなど、応用は幅広い。 そういう行為を通じて時代に応じて何度も語り直されたものが「古典」として生き抜いていくわけで、そういう点では『ウルトラ...
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※2008年の原稿です。題名:変わっていく現実と夢の混合比――スタジオジブリ第2の出発点『崖の上のポニョ』●現実と夢の境界に自覚的だった 宮崎駿監督作品 「子どもに夢を」という手垢のついた言葉がある……。 スタジオジブリと宮崎駿監督の最新作『崖の上のポニョ』について考えようとしたとき、まずこの言葉が脳裏に去来した。そもそも子どもとはいったい何歳までの児童を指しているのか、夢とは何のことか。解...
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