◆日大アメフト部事件を、深く考えてみる
テレビのコメントがもう一つ浅いので、なにか事件や話題がでても、十分にその意味を理解したり、将来を考えたりできない状態にあります。そこで、このシリーズでは最近の話題を少し深く考えてみたいと思います。
まず、最初は日大のアメフト事件ですが、テレビで放映された純真な学生の記者会見を見て、多くの人の血が騒ぎ、そのあとは一直線に「日大悪し」という方向になりました。たしかにコーチと監督の解任は当然のことと思いますが、余波は学長やはては理事長に及んだのです。もともと、この問題は「経営」ではなく「教学」(教育と学問の領域を大学では教学と呼んでいる)の問題ですから、学長が最終責任者で、理事長が出てくる問題ではありません。なんでも「トップ」がすべての権限を持っているのは共産主義的思想で、民主主義国家における大学では理事長が教学に口を挟まないようにしています。
さらに、日大アメフト事件の本質を大学という意味で考えてみます。
もともと大学というところは、「勉強したい学生」が集まって「教師」を雇って勉強するところです。それが「大学」というものですから、たとえば「入学する」というのは高校までと大学では全く違います。本来は、学生が大学に入学するのではなく、入学した学生が先生を雇用するという順番なのです。